防衛省は7日、航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35B3機を宮崎県新富町の空自新田原(にゅうたばる)基地へ配備した。自衛隊F35Bの配備は初めて。配備を巡っては、防衛省が当初の説明を変更して騒音の大きい垂直着陸訓練を新田原基地で実施する方針を示したことに地元自治体や住民から批判の声が上がっている。防衛省はF35Bの飛行訓練は当面実施せず、9月中旬にデモ飛行をしたうえで騒音など負担軽減策を説明するとしている。
7日午後1時半ごろから、新田原基地の滑走路に米軍のパイロットが操縦するF35B3機が次々と着陸した。到着時には通常の着陸方法のほか、減速して上空でホバリングした後にほぼ真下に降下する「垂直着陸」や、通常より遅い速度で着陸する「スローランディング」も実施した。新富町の小嶋崇嗣(そうし)町長ら自治体関係者も基地内で着陸の様子を確認した。
新田原基地にはこれまで主力のF15戦闘機が約40機配備されてきた。防衛省は2031年度ごろまでにF35Bを計約40機配備する予定。現在のF15は教育部隊として約20機を残す方針で、最終的に戦闘機は約60機になる見通し。
防衛省は住民説明会で「機種の入れ替え」としているが、戦闘機の機数は増加し、騒音被害の深刻化が懸念されている。
F35Bは短い滑走での離陸や垂直着陸ができ、レーダーに捕捉されにくいステルス性に優れる。事実上の「空母化」に向けて改修が進む海上自衛隊の護衛艦などでの運用が想定されている。【塩月由香、下薗和仁】
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