「もうやめにしたら」マックのハッピーセット騒動、元店員が疑問視 “ポケカおまけ”は「地獄」

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ハッピーセット販売方法の改善について「クルー同士で、どうしたらよかったかなと考えていました」

 マクドナルドの子ども向けメニュー「ハッピーセット」の景品やおまけを巡り、フリマサイトへの転売や食品の投棄が物議を醸している。今月9日から3日間限定で予定していたハッピーセット「ポケモン」購入者に配った「ポケモンカード」について、日本マクドナルドは早期の配布終了を発表し、謝罪した。人気キャラ・コンテンツとのコラボが続く一方で、転売ヤーの横行やフードロスへの懸念の声が高まっている。直近まで数年間、アルバイトマネジャーとして勤務していた元店員の女性はENCOUNT編集部の取材に対して、「企業の姿勢として、もうけのためなら何でもいいと思われても仕方ない。クルー同士でも『売れれば何でもいいの?』と話し合っていました」と、心苦しい胸中を明かした。

 マクドナルドのハッピーセットを巡り、騒動が相次いでいる。今年2月、「星のカービィ」のコラボセットが販売翌日に販売終了。5月には「ちいかわ」「Minecraft(マインクラフト)」コラボが早期終了となるなど、景品のおもちゃ目当てで客が殺到。人気が過熱している。一方で、今回のお盆期間の“おまけ配布”となったポケモンカードは高値で取引されるなどの人気品で、転売や窃盗が問題になっている。

 元店員の女性は、今回のポケモンコラボ販売時はすでに退職していたが、「ハッピーセットでポケモンカードを配るという告知を聞いた瞬間に、『もう地獄だな。大変だな。クルーはかわいそうだな』と直感しました。またあれか。あまり改善がされず、同じことをやるんだな、と。率直にそう思いました」。ほんの少し前まで店舗の現場で働いていただけに、混乱が生じることが目に見えて分かったという。

 過去のコラボハッピーセット販売時は、開店前からの行列、在庫切れを幾度となく経験した。「ちいかわ、マインクラフトの時は最大4セットの個数制限が付きましたが、モバイルオーダーで1人で10数セット買った人がいました。カービィの時はオープンからどどどっと人が入ってきて、昼過ぎには在庫がなくなりました。2023年のハローキティ50周年の時だったと思いますが、4人組の若い女性が追加追加で買って、全部で20セットぐらいになって、『本当に食べ切れるの?』と疑問に感じたことを思い出します。私が勤めていた店舗では、食品だけ捨てられたり、転売目的の外国人が大量買いするような事案はなかったですが、正直、個数制限はあってないようなもの。お客様に購入をせがまれては断れないですよ」。

 おもちゃやおまけ付きのハッピーセットを買っていく客について、転売ヤ―との見分けが付かないこともあるといい、「平日は大人ばかりが買っていきます。子どもから頼まれた親御さんや親せきかもしれないですが、正直なところ分かりません。転売ヤ―だったかもしれないです。いっぱい買う様子を目の当たりにしたり、トラブルのニュースに触れて、『これは本当に欲しい子どもに届かないだろうな』と思う時もありました」。心苦しくなることもあったという。

「騒動がずっと続いているということ自体に、やはり責任があると思います」

 今回のポケカ騒動を受け、「はやりのものに乗っちゃう。でも、残念ながら話題性があるものは転売がセットになります。企画としてもめる要素しかないですよね。転売の面で考えると、いたちごっこで、かいくぐられるのは仕方ないと思いますが、やはりマクドナルドの本社が対策しないといけないと思います。それに、売買サイトのプラットフォーム側は、もっと厳格な規制をするべきです。食品の投棄については、おもちゃやカードだけ取って捨てちゃうのは、最低最悪の行為。ネットを見て、『こんなことがあるんだ』とびっくりするところではありますが、元店員としても食べ物を粗末にするのはやめてほしいです」。苦言を呈するとともに、企業側が踏み込んだ対策に乗り出すよう注文を付ける。

 解決策について、クルーたちと議論することもあったが、難しさにも直面。「ハッピーセットの販売方法について毎回、クルー同士で、どうしたらよかったかなと考えていました。『子どもを連れている人じゃないと買えない』という方法は現実的ではない。購入者の年齢制限を付けるにしても、変な話、客側がうそをつくことも可能です。こちらからは『本当ですか?』と確認することは失礼ですし、身分証明書を都度確認するのは、ただでさえ多忙なので、オペレーション上、無理に等しい。例えば、コラボのハッピーセットを受注生産にする、抽選制にするという方法も考えられますが、もはやハッピーセットの枠ではなくなります。私個人の考えとしては、『転売の価値をなくす』というアイデアもありなのではないかと。例えば2週間分など在庫を大量に用意します。数量限定とせず、誰でも買える状態を作れば、転売する意味がなくなっていきますよね。余らせるぐらいにみんなに供給できるようにするのも一手ではないでしょうか」。転売防止策を提案する。

 問われる企業の社会的責任。マクドナルドで働くことにやりがいを感じていたという元女性店員は「騒動がずっと続いているということ自体に、やはり責任があると思います。売り上げと話題性のために、食品ロスを生み出したり、転売の片棒を担ぐようなことになってしまうのはよくないです。そもそもコラボをやめること。ちいかわもそうでしたが、もともと転売が問題になっているのにあえてやるのは、もうやめにしたらどうでしょうか。おまけを付けて“釣る”行為はよくないと思います。今回のポケモンカードはあおりそのものですよね。子どもに人気のキャラとコラボしたいのであれば、例えばパッケージの箱に留めるなど、抑制した形のコラボ企画にしてみてはどうでしょうか」とメッセージを寄せた。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム

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