女優の今田美桜がヒロイン柳井のぶを演じるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(総合ほか)第109回が28日に放送される。小学生の中里佳保が祖父と柳井家にやってくる。のぶ・嵩(北村匠海)夫婦は2人をあたたかく迎えるが…。
第22週「愛するカタチ」(第106〜110回)振り返り
昭和41(1966)年、嵩は「あんぱんを配る太ったおじさん」の絵が認められず落ち込んでいた。出版社に持ち込んだものの酷評され、義弟の辛島健太郎(高橋文哉)や作曲家のいせたくや(大森元貴)からも見た目やコンセプトに共感を得られなかった。自分のキャラクターは売れないと拗ねる嵩に、のぶだけはその絵を好きだと言ってくれた。嵩はそんな妻の誕生日に「ぼくのまんが詩集」をプレゼントした。義妹、朝田蘭子(河合優実)の紹介で知り合った編集者を通じて自費出版したもので、のぶは最高の贈り物だと喜んだ。
雑貨店「九州コットンセンター」を営む八木信之介(妻夫木聡)もその詩集を読み、嵩の文章を「すべての人の心に響く抒情詩だ」と絶賛。嵩の詩や絵を湯呑や皿にあしらって売ろうと積極的に動いた。八木のひらめきで嵩の詩とイラスト入り陶器グッズは追加注文が来るほどの人気に。八木はもっと詩を書けと促し、嵩も詩を書き続けた。嵩の才能に確信を深めた八木は会社に出版部を設立。後日、八木は嵩の新しい詩を読み、「お前の詩集を出そう。そのために出版部を作った。タイトルを考えてくれ」と依頼した。タイトルは「愛する歌」に決まった。
嵩の詩集が出版されることになり、八木のアイデアでサイン会は婦人下着売り場の横で行われた。八木の読みどおり、女性の歓声が呼び水になり、サイン会は盛況のうちに終わった。ある日、柳井家を訪れた妹の辛島メイコ(原菜乃華)は、のぶと嵩のやりとりをうらやましそうに見ていた。NHKで働く夫の健太郎は仕事が忙しく、何年も名前で呼ばれていないなどと愚痴った。
その後、三姉妹で集まった蘭子の部屋で、メイコは秘めた願いを語った。子供たちの面倒をよく見てくれる健太郎は父としては満点だが、「オシャレして、健太郎さんと歩きたい」ともらすメイコ。自分が一番きれいだったころ、日本は戦争をして口紅も塗れずワンピースも着れなかったと振り返り、「うちはモンペはいて防空壕の穴ばっかり掘りよって…。やき、うち、母親になっても、オシャレして健太郎さんと町を歩きたいが。どればぁウキウキするがやろう」と言った。
のぶと嵩は、そんな妹の気持ちを健太郎に伝えた。嫁の気持ちを知り激しく動揺する健太郎だが仕事が忙しく、さらに「愛してる」という言葉も恥ずかしくて言えない。のぶは健太郎に嵩の詩集を差し出した。嵩によると、その詩は、メイコのようにいつも笑っている子の悲しい気持ちを書いたものだった。
後日、赤い口紅を塗り、ワンピースを着たメイコがカフェでポツンと座っていた。そこにオシャレをした健太郎が近づき、「俺、ほんとふうたんぬるか男で、ごめん」と謝罪。そして泣きたいときは自分が涙を受け止めるとし、「メイコ…。きれいだ。一番、きれいだ」と言って彼女の手を握った。こうして嵩の「愛する歌」は多くの人の心にしみていった。
一方、柳井家には嵩へのファンレターも届いていた。嵩はそのなかにあった小学生の女の子のハガキに興味を示した。
「あんぱん」第109回あらすじ
ある日、嵩にファンレターをくれた佳保が、祖父の砂男と柳井家にやってくる。笑顔で迎えるのぶと嵩だったが、ニコリともせずに辛辣な言葉を投げる佳保に、2人はタジタジ。佳保は貼ってあった「太ったおじさんの絵」に興味を示した。佳保が映画の話などで蘭子と意気投合するなか、砂男はのぶと嵩に佳保のつらい出来事を話し、嵩の詩集に救われたと感謝を伝える。
「あんぱん」とは?
人気アニメ「アンパンマン」の原作者として知られるやなせさんと小松暢さんの夫婦をモデルにした朝ドラ。生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかったヒロインとその夫の人生を描く。脚本は中園ミホさん。主題歌「賜物」をRADWIMPSが歌い、「語り」を同局の林田理沙アナウンサーが務める。
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