俳優の竹野内豊さんが27日、主演した映画『雪風 YUKIKAZE』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶に、共演の奥平大兼さん、田中麗奈さんと共に登壇しました。
映画は、駆逐艦『雪風』を舞台に、知られざる史実を背景に描かれた作品。竹野内さんは、『雪風』の艦長・寺澤一利役を演じ、若き水雷員・井上壮太役を奥平さん、そして寺澤の妻・志津役を田中さんが演じました。
舞台挨拶で竹野内さんは、「80年という節目に『雪風』を描いた作品が世に送り出されること、そして戦争を伝える人が徐々にいなくなっている中でかつてこういう事実があったと伝える事は大きな意味があったのではないかと思います」と挨拶しました。

またイベントでは、10代で駆逐艦『初霜』に電信員として乗艦していた今井桂さんのメッセージが投影され、「迫力と偉大さに頭の中が真っ白になるほどの感激を致しました。これを製作した方々に心から御礼を申し上げます」と公開前、鑑賞した感想を話しました。今井さんは当時について「大変激烈な戦闘でしたので、私自身も転倒して何が何だか判断に苦しむような状態が続きました。もう二度とこのような戦争は起こしたくはないと思います」とコメント。今井さんは映画の公開前、6月30日に亡くなりました。
竹野内さんは、「前に別の戦争映画をやった時に戦争を体験された方にお話をうかがったことがあって、“戦争というのは敵の弾で命を失うと思うだろ。違うんだよ。みんな怖いから一斉に撃ち始める。味方の弾でも死んでしまうこともあった。それが戦争の恐ろしさだ”と教えていただいて。戦争を体験した人じゃないとその壮絶さは分からないと思いますし、二度と繰り返してはいけないなと思います」と話しました。
そして最後に、竹野内さんは「本当に私たちは今井さんのように実体験された方のお話を聞くことができなくなっています。時と共に戦争という現実味が薄れてきてしまっていると思います。私たちがバトンを受け取って、私たちが後世に伝えていくことが義務ではないのかなと思います」とメッセージを送りました。
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