埼玉県行田市でマンホールに男性作業員4人が転落し死亡した事故で、4人が死亡したのは硫化水素中毒が原因とみられることが4日、県警への取材で明らかになった。
県警によると、4人はいずれも土木工事会社「三栄管理興業」(さいたま市)の社員で、50代の男性。3日に実施した司法解剖の結果、2人の死因は硫化水素中毒、残る2人は硫化水素中毒により吐しゃ物を喉に詰まらせた窒息死と推定されたという。
4人は、1月に同県八潮市で起きた道路陥没事故を受けて国が自治体に要請した調査の一環で作業していた。同社によると、事故当時、現場では国の基準値(濃度10PPM以下)の15倍に上る150PPM以上の硫化水素を検知していた。地上から酸素を送るマスクは用意しておらず、4人は転落防止の保護具を身に着けていなかったという。
県警は、作業員らの装備や安全管理が十分だったかなど、業務上過失致死容疑を視野に経緯を調べる。【田原拓郎】
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