自民党が、派閥裏金事件で党員資格停止1年の処分を受けた旧安倍派幹部の下村博文元文部科学相を、次期衆院選で公認候補予定者となる東京11区の支部長に選任した。裏金事件を巡っては、真相の解明も再発の防止策も進んでいないと考える国民が多い中、「国民をなめるな」「こういうところが自民離れを引き起こしてるって理解できてないんだろうな」などと、非難や怒り、あきれる声が殺到した。
昨秋の衆院選では党公認を得られず、同区から無所属で立候補し、落選した。党員資格停止の処分期間は今年4月に満了。今年5月には衆院予算委員会に参考人招致され、安倍派内でいったん中止が決まった政治資金パーティー収入のキックバックが再開した経緯について、自身の指示を否定していた。
30日に各社が報じると、X(旧ツイッター)には「落選しても切らないのね」「また再犯させるために戻すのか」「自民は本当に腐敗している」「『反省』なんか、どこ吹く風なのだろう」などと厳しいコメントが上がった。
参院選の大敗があらためて示したように、裏金事件への国民の怒りは根深い。そんな中で、さらに自民への不信感を高めかねない動きとみえるだけに、「着々と裏金議員を復権させる自民党の復活はないな」「こういうことやるのが庶民感覚とズレてるわけよ」「つまり自民党としては裏金問題はどうでもいいと考えている、と受け取ってよろしいのですね」などの意見も目立った。
立憲民主党の小沢一郎衆院議員は、事務所名義のXで、「これが裏金問題に対する自民党の答え。自民党は自ら滅亡に向かっている」と手厳しく非難。ライターの武田砂鉄さんは「どうやって始まったのか、誰が再開させたのかさえ曖昧なままなのに、処分が満了して新たに選任されたりするの不思議」と皮肉った。
Comments