静岡県伊東市の田久保真紀市長が7月31日、学歴詐称疑惑について記者会見を開き、市長を続けると発表しました。これまで7月中に辞職し、再び市長選に出馬する意向を示していましたが、撤回した形です。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「伊東市長の学歴疑惑と続投表明」を解説します。
Q 田久保氏の学歴詐称疑惑ってどんな問題なの?
A 田久保氏が市の広報誌で東洋大法学部卒業と公表していましたが、実際には大学を卒業しておらず、除籍だったことが分かりました。田久保氏は5月の市長選で報道機関の経歴確認に対しても「東洋大卒」と回答していました。
Q 田久保氏は会見で何と言ったの?
A 田久保氏は「公約の図書館建設計画の中止や、メガソーラー計画の白紙撤回を全身全霊を傾けて実現する」と述べ、市長を続ける考えを説明しました。
Q 市議会はどんな対応をしているの?
A 市議会は田久保氏に辞職を勧める決議をし、調査特別委員会(百条委)を作って経緯を調べています。百条委に証人として出席した知人は「(以前本人から)大学は卒業していないと聞いた」と証言していました。
Q 田久保氏の卒業証書はどうなっているの?
A 田久保氏は「卒業証書」だとする文書を議長らに見せましたが、公職選挙法違反の疑いで刑事告発されたことを理由に、百条委への提出を拒否しています。
Q 刑事告発を受けて警察に卒業証書を求められたらどうするのかな。
A 会見に同席した代理人弁護士は「押収は拒絶する方向になると思う」と述べ、刑事訴訟法上の押収拒絶権を使う方針を示しました。
Q 田久保氏は自分で説明しているの?
A 会見で田久保氏は「学歴に関する混乱は私の不徳の致すところで、本当に申し訳なく思う」と謝罪しつつ、「批判や厳しい声は痛感しているが、公約を果たすために前進し、結果で納得してもらえるように努力する」と話しました。
Q 市の幹部や議会はどう考えているの?
A 会見の前に田久保氏が市の幹部を集めて会議を開き、続投方針を伝えたところ、幹部から「市政が空転する」などと再考を求める声が上がったそうです。
Q 百条委や議会の今後の動きはどうなるの?
A 市議会では、田久保氏が議会解散を選ぶと百条委もなくなるため、まず百条委で結論を出してから不信任案を審議する考えが主流になっています。
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