「Mrs. GREEN APPLE」の大森元貴(28)が、女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)でいよいよ明日4日からドラマ初出演を果たす。演じるのは、「手のひらを太陽に」など誰もが知る名曲を数々生み出した作曲家・いずみたく氏がモデルのいせたくや。デビュー10周年で立て続けに話題作に出演する自身の心境や名作曲家役に挑む思いについて聞いた。(那須 日向子)
「率直にうれしかったです。“まさか自分が!”と想像もしていませんでした。もう本当に光栄という言葉に尽きますね」と喜びを口にした大森。「アンパンマン」生みの親・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルとした朝ドラでドラマ初出演を果たす。「朝ドラは日本を代表するカルチャー。そこに参加できるのは誇らしさもあり親孝行な気持ちもあります。朝ドラが脈々と作ってきた歴史に参加できることは凄く嬉しいです」
演じる役のモデルとなったいずみたく氏はCM音楽や映画・テレビ・ラジオの劇伴音楽を生涯で1万5000曲以上を作曲。やなせさん作詞「手のひらを太陽に」をはじめ「いい湯だな」、テレビ朝日系「徹子の部屋」テーマ曲、「明治 チョコレート」CM曲まで手掛けた希代のヒットメーカーだ。
劇中では、ミュージカル「見上げてごらん夜の星を」の音楽を担当し、柳井嵩(北村匠海)と「手のひらを太陽に」の作曲を通して関わっていく。大物をモデルにした役に「僕でいいんですか?」と驚きつつも。資料やいずみ氏の自伝を読み込み研究を重ねた。
いずみ氏は当時、海外の楽曲に比べ日本語で口ずさめる曲が少ないと感じ「全国民が歌える楽曲を作ろう」という信念を持っていた。「時代は違えど、通ずるものがあるなと思いました。届けるのだったらより多くの人に楽曲を届けたい。楽曲はドラマであり、人の心を救うものであるというエンタメが持つ力を信じている点に共感しました」とアーティストとして共鳴した。
ドラマ初出演にして朝ドラデビュー。さらに今年は映画「#真相をお話しします」で映画初出演にして初主演に挑戦した。重なる大役に「Mrs. GREEN APPLE」のメンバーも驚いていたという。「“ええー!”という反応でした。“映画の主演やった後朝ドラかよ!?”みたいな(笑い)。でも、少し気を使っているのか“頑張って!”とかではなく、ちょっと離れたところから見守ってくれている感覚があります。朝ドラ出演はバンド活動としても凄く大きなことなので、メンバーにちゃんと相談しました。2人とも凄く真摯に朝ドラに対して考えてくれている印象でしたね」と感謝する。
デビュー10周年の節目の年で立て続けに俳優業へ挑戦。実は計画していたわけではなく、まさに「運命のよう」だったという。今作出演のきっかけは、制作統括・倉崎憲チーフ・プロデューサー(CP)が昨年行われた「Mrs. GREEN APPLE」のミュージカル調の“音楽劇”「The White Lounge」を観劇したことだった。倉崎氏は大森のしぐさやたたずまいに「鳥肌が立つ」ほど感激し、出演オファーをかけた。
「倉崎さんが声をかけてくださったりとか、映画もまた全然違うタイミングでオファーを頂いたりした。だから本当に運命のよう。全てがつながっているのだなと思います」と“巡り合わせ”をかみしめる。
気になる初登場シーンは18歳の設定。「僕、学ラン着て登場なんです」と、はにかみながら明かす。10歳下の役を演じることに「プレッシャーはめちゃくちゃありました(笑い)。でも僕はデビューが18歳なので、その時の気持ちや未来に対するワクワクをもう一回呼び起こして“18歳ってどうだったっけ?”と思い出と照らし合わせながら取り組みました」と語る。「フレッシュでピュアな音楽と芝居が大好きな青年を演じるのが凄く新鮮でした。『戦争パート』の後でフレッシュな青年が出てくるのは、ある種新しい時代を感じる登場だと思います。一方で戦後ということもあり、ノンデリカシーにならないようバランスは意識しました」
“ピュアな青年”が戦後の嵩やのぶにどう影響を与えていくのか。俳優・大森元貴の活躍に、明日から目が離せない。
ミセス大森「あんぱん」抜擢は「運命」メンバー驚き「ええー!」28歳が10歳下学ラン姿で朝ドラ初登場
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