2歳からピアノを始め、現在は日本、ヨーロッパで演奏活動を行っているピアニストの中井知子が9日、自身のX(旧ツイッター)を更新。がんの診断を受け、8月下旬に緊急手術を受けることを報告した。
中井は「ご報告」と題した文章をアップ。「実は、重度の胃潰瘍だけでなく、癌の診断も受けており、8月下旬に緊急手術となりました。突然のご報告となり、驚かせてしまうことをお詫びいたします」と記した。
続けて「5月は日本で演奏でき、また2枚ではありますが、渾身の演奏をCDに残すことができて幸せでした」と書き込み。自身の公式ホームページURLも併記して「今後も販売を続けて参りますので、もしお手に取っていただけましたら」と呼びかけた。
術後は抗がん剤治療に入るとみられ「後の抗がん剤治療も苦しいでしょうが、心安らげる音楽や語学の仕事は続けてまいります」と思いを吐露。「どうかこれからも温かく見守っていただければ幸いです」とした。
中井は、2歳でピアノを始め、その後に渡米。W.ケンプ、R.レヴィン、J.ラドンスキの愛弟子、H.カープに師事し、8歳当時、ウィスコンシン大学音楽院マーフィーホールにて初リサイタルを行った。
現在は、日本、ヨーロッパで、ソロとデュオの演奏活動を行い、ウィーン講習会や国際コンクール、音楽大学、音楽院の教授アシスタント業務を兼任。音楽事務所オフィス・アイスフォーゲル代表を務めている。
以下、報告全文
【ご報告】
応援してくださる皆さまへ。
実は、重度の胃潰瘍だけでなく、癌の診断も受けており、8月下旬に緊急手術となりました。突然のご報告となり、驚かせてしまうことをお詫びいたします。
5月は日本で演奏でき、また2枚ではありますが、渾身の演奏をCDに残すことができて幸せでした。
今後も販売を続けて参りますので、もしお手に取っていただけましたら、またお知り合いへのご紹介にもご協力いただけますと幸いです。
中井知子ホームページ
https://office-eisvogel.com/nakai-tomoko/
2014年から2015年にかけて、ウィーン・ロザリオ・マルシアーノ国際ピアノコンクールと提携するウィーン・カーネギーデビュー国際ピアノコンクールにて、日本人として初めて第2位を受賞した際のラヴェルカデンツァ付きなどを記録しそびれたことは、今でも悔やまれます。
ですが、日本人が1人もいなかった中、前者については、偶然にもアンドレイ・ガブリーロフ氏の日本人アシスタントである片山優陽さんが聴いてくださり、「こんなに美しい演奏は聴いたことがない」とわざわざ伝えに来てくださったことは、これが一期一会かと思ったものです。
後の抗がん剤治療も苦しいでしょうが、心安らげる音楽や語学の仕事は続けてまいります。どうかこれからも温かく見守っていただければ幸いです。
感謝を込めて
中井知子
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