「法の支配」から「力の支配」へ そして米国離れが進む

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 ロシアは安保理常任理事国としての自らの責務を投げ捨て、ウクライナを侵略した。プーチン大統領は、一方的に併合宣言をした東南部諸州を諦めることはしないだろうし、ウクライナも領土割譲に甘んじることはないだろう。ロシアの行動は侵略戦争を禁ずる国連憲章に違反する。

 直接的な原因はハマスによるテロにあるにせよイスラエルはガザに仮借ない攻撃を加え、6万人を超すといわれる民間人犠牲者を生んでいる。ネタニヤフ首相はガザの全面的支配を目的にさらに攻撃を加えることを検討していると伝えられる。イスラエルは自衛権の発動と説明するが、民間人の殺りくは国際人道法に反する。

 米国はイラン核施設を空爆した。先制攻撃であり、イスラエルとの集団的自衛権に基づくという説明は難しい。いずれの攻撃も国際法との整合性には大いなる疑義があり、近年いろいろなフォーラムで宣言されてきた「力による一方的な現状変更は認められない」という国際的規範をないがしろにしていることは明らかだろう。

国際安全保障体制は崩れつつある

 第二次大戦後の安全保障体制は国連の集団的安全保障体制と北大西洋条約機構(NATO)の集団的自衛体制、そして日米、米韓などの米国との2国間安全保障体制で成り立ってきた。ただ実質的には、いずれ…

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