女優の今田美桜がヒロイン柳井のぶを演じるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(総合ほか)第21週「手のひらを太陽に」(第101〜105回、18日から)の予告が15日、放送された。そのタイトル通り、次週、のぶの夫、嵩(北村匠海)のモデルになったやなせたかしさんの代表曲「手のひらを太陽に」が完成するものとみられる。またのぶの妹、朝田蘭子(河合優実)の意味深な表情や、雑貨店店長、八木信之介(妻夫木聡)の存在感にも注目が集まるなど、終盤に向けて視聴者の期待がますます高まっている。
第20週「見上げてごらん夜の星を」(第96〜100回)振り返り
会社を辞め漫画家として独立した嵩だが、仕事とは順調とは言えず、あたためていたオリジナル作「メイ犬BON」も完成直前でボツに。落ち込む嵩を八木信之介(妻夫木聡)は大衆に媚びずに自分らしい漫画を描けばいいと励ました。そこへ代議士の薪鉄子(戸田恵子)が訪れ、秘書ののぶが「探しているもの」を尋ねた。嵩は「逆転しない正義」と推測し、戦時中のぶが逆転した正義に流され子供を誤導したことを後悔していると語った。その後、鉄子はのぶを解雇。「ここにいても、あなたの探しているものは見つからないわ」と告げた。のぶは義母の登美子(松嶋菜々子)に解雇を打ち明け、嵩を支えながら2人で探し物を続けたいと話した。
7年後の昭和35(1960)年、嵩は相変わらず売れる気配がなかった。そんなある日、旧知の作曲家、いせたくや(大森元貴)が作家の六原永輔(藤堂日向)と訪ね、嵩にミュージカルの舞台美術を頼んだ。嵩は自信がなかったが、2人の熱意に気圧され、また「見あげてごらん夜の星を」というタイトルに心を動かされ、仕事を引き受けた。イメージは一任され、愚痴りつつも、どこか楽しそうな嵩をのぶはそっと見守った。本番の前日。通し稽古後に細かく修正を加えていく永輔に、戸惑うたくやたち。彼らのやりとりに嵩は戸惑いながらも、楽しさを感じていた。
舞台公演は成功裏に幕を閉じた。嵩は永輔が書いた歌詞を絶賛。永輔は「柳井さんにだって書けますよ。柳井さんはヒトを描ける作家です」と言った。数日後、なぜかぼんやりした様子の嵩。そんな柳井家にたくやがやってきて、一度、歌詞を書いてくれないかと頼んだ。その詩にたくやがメロディーを乗せるという。「また一緒に楽しい仕事をしましょうよ!」と誘うたくやだったが、嵩は後ろ向きで、「漫画家は…漫画を描くべきなんだよ」と返した。聞く耳を持たない嵩に、のぶもやってみてはと声をかけるが、嵩は遮るように、「僕の仕事に口出さないでくれ」。以来、2人の関係はギクシャクした。
ある朝、のぶは「今日も遅うなるき、ご飯自分で食べて」と言って会社に向かった。のぶは、嵩に内緒で八木の雑貨店を手伝っていた。来店した蘭子に嵩が作詞の仕事を断ったことを相談するのぶ。蘭子が嵩の現状を心配すると、八木は「あいつの書く言葉は全部、俺には詩に聴こえるけどな」と言った。
ある日、八木の店を訪れた嵩は、接客しているのぶを目にする。状況が分からず混乱する嵩に、八木は、夫に好きなことをさせるため、のぶが2人分働いていることを説明した。
帰宅後、嵩はのぶを抱きしめて謝罪するが、のぶは苦労だとは思っていないと言う。嵩は漫画以外で人を喜ばせられる仕事にもやる気を見せた。その時、近くに雷が落ち、部屋が真っ暗に。のぶは、懐中電灯のスイッチを入れ、手に明かりを向けた。「ほら、血が流れゆう」。今度は嵩の手に懐中電灯をあててみる。ふとつぶやく嵩。「てのひらを、すかしてみれば、真っ赤に流れる、僕の血潮」
「あんぱん」第21週「手のひらを太陽に」の予告は、嵩がテレビ番組の「まんが教室」に出演しているシーンからスタート。その後、「手のひらを太陽に」を歌うことになる歌手、白鳥玉恵役を演じる乃木坂46の久保史緒里の姿もあった。またのぶの母、羽多子(江口のりこ)が上京し、登美子を交えて雑談するカットも。そしてスーツをパリッと着た八木が、少し怒っているような蘭子に「妻と子には絶対に帰ると約束した」と言い放つ姿もあった。最後は「精いっぱい頑張ったつもりやったけど何者にもなれんかった」と言ってボロボロと涙を流すのぶに「僕たち夫婦はこれでいいんだよ」とつぶやく嵩のシーンが続く構成になっていた。
次週も盛りだくさんの内容になりそうだが、視聴者がまず反応したのは久保の姿で、SNSには「来週、久保ちゃんくるー!」「ついに久保ちゃんが」「久保さんの出番楽しみ」などの声が続々。八木と蘭子の意味ありげな会話にも注目が集まり、早くも「あら、来週、蘭子と八木…えっ、そのライン爆誕?」「予告を見る限り、八木さんは会社を興して、蘭子がそこに勤める流れっぽいということ?」「やっぱり、八木と蘭子の線はあると思ってた。意味深な目線」「八木さんと蘭子、まさか…いや…アリやと思う」などと盛り上がっている。
「あんぱん」とは?
人気アニメ「アンパンマン」の原作者として知られるやなせさんと小松暢さんの夫婦をモデルにした朝ドラ。生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかったヒロインとその夫の人生を描く。脚本は中園ミホさん。主題歌「賜物」をRADWIMPSが歌い、「語り」を同局の林田理沙アナウンサーが務める。
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