
真っ黒に日焼けした肌、脱色した髪、白い目元と唇。2000年前後の5年間ほど、東京・渋谷を拠点に若い女性の間で「ヤマンバ」ファッションがブームになった。このギャル文化を後世に残そうと奮闘するのが、元ヤマンバの画家、近藤智美さん(40)だ。どんな思いでヤマンバを描いているのか。
太陽が照りつける7月、緑豊かなさいたま市見沼区のスタジオ「師岡制作所」を訪ねた。元金属加工工場を利用し、複数のアーティストが制作の拠点にしている。長い黒髪にめがねをかけた近藤さんからは、若き日のギャルルックは想像しがたい。
「ヤマンバ時代の資料、持ってきました。これは今や文化遺産と言われる『プリ帳』です」。厚さ3・5センチほどのホルダーの表紙には、ギャル文化を発信したファッション誌「egg」の黄金色ステッカー。開くと、ヤマンバルックの近藤さんや仲間と撮った「プリクラ」がいっぱいだ。
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