夏休みは、大作以外にこんな作品もどう?
2025年の夏アニメも放送開始から1か月以上が経ちました。粒ぞろいと評判の今クール、「どの作品を観ようか迷っているうちに、いつの間にか話数が進んでしまった」なんて方もいるのではないでしょうか。
「クマの過去編」が大評判の『ONE PIECE(ワンピース)』のように大作も魅力的ですが、この夏はまだあなたの知らない「隠れた名作」が眠っているかもしれません。そこでこの記事では、「今からでも追いついてほしい!」と思える個性派アニメ3作品を紹介します。
●最強魔女は超人見知り!? ギャップがたまらない『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』
『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』は、史上最年少で王国最高峰の魔術師「七賢人」に選ばれた天才「モニカ・エヴァレット(CV:会沢紗弥)」が主人公の物語です。ただし華々しい肩書きとは裏腹に、彼女は極度の人見知りであり、人と話すのが苦手なあまり、呪文の詠唱を省略する「無詠唱魔術」を独学で極めてしまったほどのコミュ障です。
この夏はそんな「コミュ障キャラ」が妙に多いですが、そのなかでも「重症」なモニカの二面性が本作の見どころです。普段のパニック状態はコミカルに描かれる一方、魔術師として活躍はライデンフィルムらしいハイクオリティな映像で描かれ、そのギャップに惹かれ、自然と彼女を応援してしまいます。また気軽に観られるものの、しっかりとした世界観を感じさせる本格的なファンタジーである点も魅力です。
●静かに、優しく流れていく時間に癒やされる『雨と君と』
夏の暑さや日々の疲れをそっと癒やしてくれるような作品が『雨と君と』です。本作の物語は、女性小説家の「藤(CV:早見沙織)」が、雨が降るなかで拾った「犬(公式サイトでは〈君〉、CV:麦穂あんな)」と一緒に暮らし始めるところから始まります。
この犬は実はタヌキであり、しかも人間の言葉を理解し多少のコミュニケーションもするのですが、それによって大きな事件が起きるわけでもなく、「君」と藤の、何気ない日常が淡々とつづられていくのが本作の面白いところです。そもそも藤の口数が少ないのもありますが、全体的に物静かながら優しい雰囲気に包まれたアニメであり、原作マンガの持つ淡い雰囲気を丁寧に再現しています。一度見始めれば、藤と「君」との日々に愛おしさすら感じるのではないでしょうか?
●女子高生の会話劇がクセになる『フードコートで、また明日。』
タイトルにある「フードコート」で、騒がしい「和田(CV:宮崎ヒヨリ)」と強面ギャルながら落ち着いた「山本(CV:青山吉能)」の女子高生ふたりが他愛のないおしゃべりをするだけ。そんな『フードコートで、また明日。』は当初こそ「30分は長くない?」といった声もSNSで見られましたが、今ではその「他愛のなさ」にハマる人が増え、尻上がりに評価をあげています。誰もが経験したであろう、放課後の友人との無駄話……あの空気感への懐かしさを刺激されているのでしょう。『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』と並ぶ、今夏の「会話劇で魅せる」アニメです。
全6話のため、8月11日で最終話を迎えたものの、18日から再放送が行われます。何も考えずにぼーっと眺めるのに最適な本作は、『雨と君と』とはまったく違った雰囲気ながら、「何気ない日常の大切さ」を痛感させられる一作です。
なお、この記事で紹介した3作品はABEMA、U-NEXT、FODほか配信サービスで観ることができます。
Comments