文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

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【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】

 中居正広が元フジ女性アナに行った「性暴力」の全貌が分かったと週刊文春(8月14.21日号)が報じている。

 彼女は2023年6月2日の“事件”当夜、中居の住む目黒区のマンションに向かった。中居が仲間を集めて飲むはずだったが、急きょ、2人だけで飲む羽目になってしまった。出迎えた中居はTシャツに短パン姿。テーブルにはすでに「大丸」の高級肉や具材が並んでいた。

 缶ビールを飲みながら中居は次第に彼女との間合いを詰め、強引にキスしてきた。中居は強烈な力で彼女の顔を固定し、キスを続けた。さらに中居の行動はエスカレートしていく。

「衣類を無理やり脱がそうとして失敗すると、下着を捲し上げ、彼女の胸部に顔を埋めたのだ」(文春)。彼女の「やめてください」という悲痛な訴えを聞いた中居は、いったんやめた。

 だが再び彼女に襲いかかり、抵抗するのもお構いなしに触り続け、「欲望の赴くままに行為を遂げたのだった」(同)。直後、中居はこう言ったという。

「エッチ好きじゃないの? 何で泣いてるの?」

 断っておくが、これは被害女性X子が自ら語ったのではない。“事件”後、彼女の詳細なメモをもとに、代理人弁護士が中居側に損害賠償を求める「通知書」を作成した。その写しを彼女の仕事仲間の番組スタッフが7月上旬、文春に持ち込んだというのだ。

 X子は、示談交渉の前に、それを友人らに見せて意見を求めたと認めているが、いつも通り「自分には守秘義務があるから何も答えられない」といっている。思えば、最初に「中居が女性トラブルで解決金9000万円」と女性セブンに漏らしたのも、文春に事の詳細を話したのもX子の知人であった。

 今回は仕事仲間。彼女には自分の言い分を代弁してくれる友人がたくさんいるようだ。そして、自分は守秘義務の中に逃げ込む。彼女から事件の詳細を聞き出したい週刊誌は、友人、知人たちが小出しにする情報をもとに、中居の「性暴力」の実態やフジテレビの港社長らの「事件隠蔽」を暴き出した。中居を芸能界から追放し、フジの社長らの首をすげ替え、ドンといわれた日枝久を辞めさせ、赤字転落へと追い込んだ。

 大変な女傑である。しかも彼女は名前も顔も出さないでやってのけたのである。

 しかし、私には疑問がある。なぜ彼女は高額の示談金を手にしたのに、週刊誌に知人を介してリークしたのだろう。中居を許せない、彼と組んで“事件”を隠蔽したフジが憎いという気持ちは理解できるが、これだけ詳細に当夜の中居の“性暴力”を明かしてしまって、守秘義務違反にはならないのだろうか? 彼女側が明言していないのは一説に9000万円といわれる示談金についてだけである。

 もし今、故・岡留安則がやっていた「噂の真相」があれば、この事件が起きてすぐに、彼女についての具体的な情報を報じたに違いない。それがいいことだといっているのではない。だが、これまで雑誌のプライバシー侵害は枚挙にいとまがない。それが今回に限ってどこも動かなかったのは、X子のメディア操縦術がたけていたからだろうか。

 その役割はSNSが果たしているというだろう。だが、私のようにSNS情報に懐疑的な人間は、それを丸ごとうのみにはしない。

 私は決して中居がやった「不同意性交」をよしとする人間ではない。だが、X子が友人、知人の力を借りて中居を「空前絶後の極悪人」に仕立て上げるやり方には、やや懐疑的である。

 ここまで明かされた以上、中居は会見を開き、事実を認めた上で、「償うために3年間ボランティアをします。3年経ったら視聴者の皆さんに、テレビの世界に戻っていいかどうかを判断してもらいたい」と提案したらどうか。

 X子は納得しないだろうか? (文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

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