横浜の勝負手「内野5人シフト」 2度放つも実らず 夏の甲子園

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【横浜-県岐阜商】九回裏県岐阜商1死二、三塁、稲熊のスクイズで三塁走者・渡辺璃が本塁を狙うもタッチアウト(捕手・駒橋)=阪神甲子園球場で2025年8月19日、西夏生撮影 拡大
【横浜-県岐阜商】九回裏県岐阜商1死二、三塁、稲熊のスクイズで三塁走者・渡辺璃が本塁を狙うもタッチアウト(捕手・駒橋)=阪神甲子園球場で2025年8月19日、西夏生撮影

高校野球・夏の甲子園準々決勝(19日)

○県岐阜商8―7横浜(神奈川)●(延長十一回、十回からタイブレーク)

 横浜はサヨナラ負けの窮地で、勝負手を放った。2度にわたって「内野5人シフト」を繰り出し、3万6000人の観客をどよめかせた。

 同点の九回1死二、三塁。左翼手に代わって入った背番号14の阿部駿大が「5人目の内野手」として二塁ベースの右を守り、一塁手はスクイズに備えて極端な前進守備を敷いた。がら空きのレフトに飛べばおしまいだが、投手の踏ん張りを信じ、1点も与えまいとするシフトだ。昨秋の明治神宮大会でも披露し、その後も練習を繰り返していた。

 2番打者のスクイズに対し、一塁手が捕手にグラブトスして間一髪、本塁タッチアウト。死球を挟み、続く打者は二ゴロに打ち取った。

【横浜-県岐阜商】延長タイブレーク十回裏県岐阜商、内野に5人シフトをする横浜=阪神甲子園球場で2025年8月19日、長澤凜太郎撮影 拡大
【横浜-県岐阜商】延長タイブレーク十回裏県岐阜商、内野に5人シフトをする横浜=阪神甲子園球場で2025年8月19日、長澤凜太郎撮影

 十回は3点リードを追いつかれ、なお三塁に走者がいる場面で再び「内野5人シフト」を敷き、代打を一邪飛に。次打者は見逃し三振に仕留めた。

 九、十回の「内野5人シフト」の時に、左腕・奥村頼人(らいと)が投じたのは全て真っすぐ。魂のこもった球で押し、バックも応えた。

 捕手の駒橋優樹は「頼人は3年間で一番の投球。負けたけど、やってきたことを土壇場で出せた。ただ、相手が素晴らしかった」と目を赤くした。

 県岐阜商の藤井潤作監督が「攻撃しているのに、攻められているような感覚だった」と表現した珠玉の守り。春夏連覇はならなかったが、負けてなお強しの印象を残し、横浜の夏は終わった。【石川裕士】

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