「この仲間じゃなければ手術した」 東洋大姫路・阪下の夏の甲子園

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【沖縄尚学-東洋大姫路】力投する東洋大姫路の先発・阪下=阪神甲子園球場で2025年8月19日、玉城達郎撮影 拡大
【沖縄尚学-東洋大姫路】力投する東洋大姫路の先発・阪下=阪神甲子園球場で2025年8月19日、玉城達郎撮影

 全国高校野球選手権大会は第13日の19日、阪神甲子園球場で準々決勝があり、東洋大姫路(兵庫)は沖縄尚学に1―2で敗れた。

 先発した東洋大姫路の阪下漣投手(3年)は、二回途中でマウンドを降り、自身の悪送球が絡んで2失点だった。

 今春のセンバツ大会の初戦で右肘の張りを訴えて降板し、その後に靱帯(じんたい)の損傷が発覚。保存療法を選び、今大会2回戦の花巻東(岩手)戦で復帰登板を果たしていた。

 阪下投手の試合後の主なコメントは次の通り。

「再発も考えてしまった」

 ここに来て、けがを怖がってしまった。先発の重圧というものに押しつぶされてしまって、思い切って攻められなかったのが、失点してしまった一番の要因かなと思います。

 (先発は)昨日から言われていて、これまでなかなかイニングを重ねられていない中で、自分なりにどうしようかと考えて準備したつもりでした。ただ、沖縄尚学さんの打線が粘り強かったです。

 けがを1回経験してしまっているので、再発というところを考えてしまった。マウンドに上がると怖さがあまり抜けなくて。

 腕は振れたつもりなんですけど、制球がなかなか定まらなくて。リハビリでもうちょっと怖さをなくせていたらなっていう後悔も少しあります。

 でも今、痛みがあるわけではないです。

 (二回無死一塁、相手が送りバントを試みた際の自身の悪送球は)自分はセカンドに投げてゲッツーを取りたいという判断でした。

 ただ、そこで声が行き届いていなくて、キャッチャーはファーストを指示していました。セカンドの渡辺と目線が合わなくて、そこで少し焦ってしまい、ミスにつながってしまいました。

 (甲子園のある兵庫県西宮市は)自分の生まれ育った地でもあるので、思い入れもありました。最後、仲間と甲子園でプレーできたのはすごくうれしいですし、チームメートや(岡田龍生)監督に感謝の気持ちでいっぱいです。

 マウンド上では感謝の気持ちが一番大きかった。この仲間じゃなかったら、僕はたぶん手術をしていました。

 このメンバーで甲子園に行きたいという思いが、保存療法を選べた理由でした。

 メンバーが声をかけてくれたからこそ、自分の中で「保存療法一択」と決めました。結果で恩返しできなかったのは悔いが残りますが、最終的に手術を選ばなくて良かったなっていう思いもあります。

 (今大会で背番号1の)木下(鷹大)が「ゆっくり治せよ」と伝えてくれたのが、自分の中で大きかったです。木下に支えられていなかったら、自分は復帰できていない。感謝(という言葉)では言い表せないぐらい、うれしい気持ちでした。

 今後はいったん、けがを治すことに専念したいです。

 目指す先はプロ野球ですが、今のままでは絶対に活躍できない。度胸もないですし、結果も出せなかった。大学に進学して、初心に戻ったつもりで一から鍛え直して、最終的にはプロの世界で活躍したいです。

 (高校野球を振り返ると)正直、挫折するっていうことが少なくて。「このまま、うまいこと行くんだろうな」っていう未来予想でした。

 急なけがで苦しめられて、「やっぱりけがって怖いな」と分かりました。自分にもっともっと、カツを入れたいなと思います。

 ただ、このチームで最後まで野球ができたことはうれしいです。そこに関しては後悔はないです。

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