そして集約された四博士の力で、なんとか大縮減(﹅﹅﹅)を止めることができた。あくまで一時的に。
「小さな船の船長は驚いていました。人を食べたことが、船長にはまだなかったのですから、当然のことです。彼は今度こそ戸惑い、迷い、考え、決断しあぐねました。私たちはとんでもないことを頼んでいる自覚はもちろんありましたから、彼の質問や懸念には全部答えていきました。彼が訊(たず)ねたのは、私を食べる、もしくは私に食べられる、どちらにせよ、そんなことをする目的でした。私たちからすれば目的は明確でした。壁の研究を進めるためです。これまで培ってきた遠方担当としての彼の経験、知識、そのすべてと、私たちの研究成果を完全に同化(シンクロ)させなければ、世界の終わりをどうにかすることはできません。同化したところで、それを成し遂げられるかどうかは未知数で…
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