全国高校野球選手権大会第14日は21日、甲子園球場で準決勝が行われ、日大三(西東京)が延長タイブレークの末、県岐阜商に4―2で勝って14年ぶり3度目の決勝進出を決めた。
日大三は2点を勝ち越した十回裏の守備で、1死二、三塁になった場面で一塁手を交代。最後は代わりに入った一塁手が打球を処理して勝利した。三木有造監督は試合後、選手交代の舞台裏などを語った。主な談話は次の通り。
日大三・三木有造監督
<先発は今夏、地方大会を含めて登板のなかった根本智希投手だった>
毎日練習を見ていましたから、調子を見て、選手に早めに伝えて準備させている。(起用に)不安はないです。
(根本は)真っすぐに力がある子。西東京大会から一度も登板できなかったので、ここしかないなと。四回(途中)までよく持ってくれた。
(根本が降板して)ベンチに帰ってきたら、泣いていたんですよ。ランナーを残して近藤(優樹)に託したので。「すいません」と。「試合中に泣いたら使えないぞ」と怒ったんです。
<打撃は>
私の采配がちぐはぐなところもあって「申し訳ないな」と思ったのですが、最後は選手が何とかしてくれた。選手はすごいですね。よく打ちました。一分、一秒でずっと成長を続いていると思います。
<近藤投手が投打で貢献した>
打撃もいいので。気持ちがしっかりしている。何とかする子なので。必ず打ってくれるんです。何とかしてくれるんですよね。野手で行ってもいいかなと思うくらい。(延長十回の決勝打に)よく打ちますよ、あそこで。
<四回途中からの救援は>
「頼みます。任せます、お願いします」と送り出した。それをやってくれる選手なんで。あれだけの投球なかなかできないんじゃないですか。
すごく気持ちがしっかりしている子なので、ふわふわしないですし、落ち着いているけど勝ち気もあります。「球が速くなくても、抑えるのが俺だよ。制球力が大事なんだよ」と自分で考えてやっています。根性も気合も入っていて、良いですよね。
甲子園でひと皮もふた皮もむけましたね。「僕に投げさせてくれよ」という雰囲気があるんです。きょうの試合も「(登板が)四回からでいいんですか」みたいな態度に見えるんですよ。
<最後は守備で交代した選手が打球を処理した>
あそこに(打球が)飛ぶんですね。(一塁手だった)田中諒が足をつりそうで(1人前の打者の)打球を捕れなかったので、すぐ代えたのですが。代えなかったら、と思うとぞっとします。
ベンチにいる選手が「三木さん、一塁手、代えましょう」って言ってくれたんです。代打を起用した場面もそうです。
(選手の声を反映することは)ありますよ。一人で考えるのが嫌なので。選手が言いやすいかもしれないですね。
<あと1勝で全国制覇>
(実感が)全くありません。西東京大会で負けそうな試合があったことを考えると、全然……。あと3試合くらいやる気で選手に声をかけたい。
決勝は(相手投手に)手も足も出ないと思います。でも、何があるか分からないので。優勝か準優勝。できれば優勝したいが、思い切ってやってほしい。
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