歌舞伎俳優・中村七之助(42)が16日放送のABCラジオ「Sky presents 中村七之助のラジのすけ」に出演。大ヒット中の映画「国宝」を鑑賞した感想を語った。
「国宝」は上方歌舞伎の名家に引き取られたやくざの息子と、その家の御曹司がしのぎを削りながら芸道を究めていく波瀾(はらん)万丈の50年を描く一代記。18日には、公開から73日間で興行収入100億円を突破した。
七之助は封切から1カ月ほどたった7月に鑑賞し、満員の映画館に驚いたと回想。歌舞伎役者として「これは違うとかいう見方は絶対したくなかったんで、そういうのは全部一切ゼロで見たんです」。
ただ、舞台裏を知っているだけに、出演者の苦労に特に共感したという。実際の歌舞伎では白塗りでいるのは2、3時間程度で「飯食う時、化粧剥がれちゃうから1回落とす」というが「映画の撮影だと、あの白塗りでたぶん12時間ぐらいいる」と推測した。
作品で吉沢亮と横浜流星が演じた「二人道成寺」についても言及。自身も過去に演じており、「道成寺の衣装なんて着るの大変。それ着て、“ご飯休憩でーす”ってなっても、脱げるとは思うけど、脱ぐのも大変。ちょっとの休憩だったら、たぶん脱がない。脱ぐ方が面倒くさいから。だから、吉沢さんもそうだし、横浜さんも、こしらえてる皆さま、本当にお疲れ様だなと思った」。演じる大変さを知るだけに「あの2人、歌舞伎嫌いになってんじゃないかなと。逆に」とジョーク交じりに心配しながら「本当に感動しました。本当にお疲れ様でしたという感じ」と語った。
また、9月に浅草公会堂で、中村鶴松が自主公演を行うことにふれ「彼は歌舞伎の家系の子ではなく、実力で中村屋の部屋子になって、そして主役を2つもやる演目を、浅草公会堂でやるんです」と、「国宝」で吉沢が演じる喜久雄になぞらえた。
「彼の芝居を見てほしいなと強く思います。『国宝』見た方は。そういう人でもこんなに一生懸命やって、こういう役を演れるんだっていうのをわかっていただけると思いますし」と呼びかけた上で、「楽屋で“国宝ごっこ”しようかな。手が震えて…“芸があるやないか”って言いたい。“血をゴクゴク飲みたい”って言ってほしい。もし、いい出来だったらインスタグラムに流そうかな」とシーンのリアル再現をたくらんでいた。
中村七之助 映画「国宝」に「感動」歌舞伎役者ならではの共感した場面 「楽屋で国宝ごっこしようかな」
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