◇「あんぱん」脚本・中園ミホ氏インタビュー(4)
「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」シリーズなどの話題作を放ち続けるヒットメーカーの中園ミホ氏(66)がオリジナル脚本を手掛け、女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)も残り5週(25回)となった。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルにした物語の終着駅は…。中園氏は2014年度前期「花子とアン」以来11年ぶり2回目の朝ドラ脚本を完走。2年半にわたった執筆・作劇の舞台裏を聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
朝ドラ通算112作目。戦争に翻弄されながら激動の時代を生き抜き、「逆転しない正義」にたどり着く柳井夫妻、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の軌跡を描く。
中園氏が父を亡くした10歳、小学4年生の時。母が買ってきたやなせ氏の詩集「愛する歌」第二集に悲しみを癒やされ、文通がスタート。19歳の時には、東京・代々木の交差点でバッタリ再会し、闘病中だった母をやなせ氏が電話で励ましてくれ「二度、救われました」。やなせ氏の影響を受け「子どもの頃に詩を書くようになって、物を書くことが好きになって、そこから脚本家になったので、本当に今の私をつくってくださった方」という恩人への感謝も込めた渾身作だ。
「脱稿は完全燃焼?」と問われると、中園氏は「実は、出し切ったとは思っていないんです。放送期間との兼ね合いで入らなかったエピソードもありますし、長丁場の朝ドラはキャラクターが育っていきますから、出番は少なかったけれど、もっと書きたかった人物もいます」と告白。「放送期間が1年あれば?」には「もう少しゆっくり書けたと思いますけど、そうなると、大好きなお酒をセーブする日がさらに続いていたので、このぐらいでよかったのかもしれません」と笑いを誘った。
続編やスピンオフの可能性について、制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサー(CP)は「視聴者の皆さんから応援の声を頂ければ、実現するかもしれません。個人的には、何らかの形になればいいなと考えています」と前向きな姿勢を示した。
=インタビュー(5)に続く=
「あんぱん」脚本家・中園ミホ氏 スピンオフ意欲?「実は出し切ったとは…」CP「応援の声を頂ければ」
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