規律正しい社会と人々への敬意が根付いた国として、世界中から高い評価を受けている日本。イタリアから初めて日本を訪れたカップルも、旅の中で、そうした日本らしさに驚かされました。一方で、観光大国のイタリアから来たふたりは、滞在中に戸惑う場面もあったようです。いったい、どのようなことがあったのでしょうか。
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街の清潔さに感嘆 「スーパークリーン!」
イタリアから初めて日本にやってきた、エリカさんとラファエルさん。10日間かけて京都、奈良、金沢、東京をめぐりました。都市ごとに異なる雰囲気を楽しみながら過ごすなか、ふたりが驚いて口をそろえたのは、街の清潔さでした。
「日本の印象はとにかくスーパークリーン!」
大きな声を上げたエリカさんは、ゴミ箱が少ないにもかかわらず、路上にゴミが落ちていない日本の光景に感心したといいます。
ラファエルさんも笑みを浮かべながら、「どうやって機能しているのかを理解するのに1日くらいかかるけど(笑)」と、振り返りました。ゴミをポイ捨てしないという日本の小さな習慣は、訪れる人に強烈な印象を残しているようです。
言葉の壁に戸惑いを感じた場面も
一方で、滞在中には困ったこともあったそう。エリカさんが、少し戸惑いをにじませながら、率直に語りました。
「日本滞在中の少しだけネガティブなことは、言葉、英語が通じないことがときどきあったこと。とはいえ、私たちもそんなに英語が上手ではないんだけど」
ラファエルさんも隣でうなずきます。
「イタリアでもみんなが話せるわけではないけど、最低限の単語やフレーズを言えたり、理解できたりするからね。ただ、日本のレストランにはだいたい英語のメニューがあって、写真が付いているものもあって、それはすごく助かった」
ラファエルさんは食事をオーダーする際、英語表記や写真付きのメニュー表に救われたといいます。一方でエリカさんは、日本語の難しさだけでなく、相手に対してある不安にも駆られたようです。
「メニューを指差して『Two』とかだけしか言えないと、失礼じゃないかしらってすごく申し訳なくなるの。英語だと『Please』って言えるけど、日本語は発音が違いすぎて全然言えないし、覚えられない」
観光庁が2025年に発表した「訪日外国人の受入環境整備に関するアンケート調査結果」でも、訪日外国人の約15%が「施設等のスタッフとのコミュニケーション」に困ったと回答。ただし、前年度よりも減少傾向にあり、多くの場所で外国人対応の工夫が進んでいるようです。
ふたりの出身であるイタリアは、観光大国ながら英語が母国語ではありません。日本もイタリアから学べることがあるかもしれませんね。
Hint-Pot編集部
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