
札幌に拠点を構えながら、各地のライブやイベントのチケットが即完売するピアニストのふみさん(28)。動画投稿や配信を中心に活動するインフルエンサーでもあり、ピアノ演奏などを投稿するYouTubeの総再生回数は1億回を超える。
だが、元々ピアニストを目指していたわけではない。幼い頃から好きだった動物に携わる仕事に就きたかったという。
白、黒、88の鍵盤楽器は、多くの人を惹(ひ)きつけます。生活や人生に彩りも与えてくれるピアノ。「piano ストーリー」では奏者のバックストーリーに迫ります。
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小学校の卒業文集で将来の夢として書いたのは、動物園の飼育員だった。
「小学生から高校生までずっと、動物に携わる仕事に就きたいとの夢は変わりませんでした。中3の頃、どうしても小動物を飼いたくて母親に『ピアノのコンクールで受賞したら』とお願いし、練習を重ねてハムスターを迎えたこともあります」
ピアノを始めたのは、母親の勧めだった。
3歳からピアノ教室に通い始め、小学3年でコンクールの受賞を目指す特化型の教室にくら替えした。
だが、練習はすごく嫌い。
練習不足だと指摘され、教室で8時間ほど居残りし、泣きながらレッスンを受けたこともあった。
「練習がつらくて、コンクールの度に絶対やめてやると思っていました」
しかし、負けず嫌いの性格から結果が振るわないと悔しくて再び挑戦を繰り返した。
小学3年からコンクール出場を始め、全道大会1位や、全国大会出場といった受賞歴を重ねるようになる。
クラシック音楽に傾注する中で、動画投稿に関心を持ったきっかけは、ピアノYouTuberの先駆者とされる「まらしぃ」さんの存在だった。
中学1年のころ、ゲームの影響で音声合成ソフト「ボーカロイド」の音楽に夢中になり、YouTubeでピアノの「弾いてみた」動画を検索し、視聴する日々を過ごすようになった。
まらしぃさ…
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