政府が実施した生活保護基準の1割引き下げが最高裁で違法と判断されました。もとは2012年衆院選での自民党公約です。公約の背景には生活保護を利用している人へのバッシングがあります。立教大学コミュニティ福祉学部教授の木下武徳さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】
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だれのため
――バッシングに便乗して生活保護基準を引き下げたことで、生活に大きな影響が起きました。
◆だれのために政治をやっているのかということです。
景気が良くなると生活保護の利用者は減る傾向があります。ところがここ数年、物価高なども含めて生活は苦しくなっているのに、利用者は減少傾向にあります。
これはどう考えていいかわからないところがあります。やはり群馬県桐生市であったような、生活保護の利用を抑制する仕組みが働いているのではないでしょうか。
――困った時にはだれでも利用できるはずです。
◆ホームレスの人たちからよく聞きまし…
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