大沢たかお(57)が主演とプロデューサーを務める「沈黙の艦隊」シリーズの映画第2作「−北極海大海戦」(吉野耕平監督、9月26日公開)完成報告会が25日、都内で行われた。
大沢演じる潜水艦「やまと」の艦長・海江田四郎の右腕たる副長・山中栄治を演じた中村蒼(34)は24年8〜10月に行われた撮影中、体重管理をしていた大沢からサンドウィッチを「半分こしよう」と声をかけられたと明かした。ストイックな体作りで知られる大沢も「ずっと食べていなかった。おいしそうで…我慢できず、手に取って部屋に戻って、食べたらなぁ…と思って」と当時を振り返り、笑った。
大沢は撮影を振り返るトークの中で、中村が「大沢さんは体重管理をされていて、2枚1組のサンドイッチがあって『半分こして食べよう』と言ってくれて…」と明かした。「艦長室で食べたサンドイッチが今までで食べたサンドイッチの中で1番、おいしかった。かみしめました」と笑みを浮かべると、笑みを帰した。
大沢は「ずっと食べていなかったので、本当においしそうなサンドイッチで我慢できなくて。手に取って戻ったんだけど…これ、全部、食べたらなぁと思ったら目の前に座っていたので、食べたくないかも知れないけど、食べさせました」と笑いながら振り返った。すると中村は「食べたかったです」とうなずくと、安堵(あんど)したように、また笑った。
官房長官・海原渉役の江口洋介(57)からは「グッときっぱなし。大沢君が、ずっと動かないでやる…すごいよね。ストイックな芝居」とたたえられた。大沢は「今回、1歩も歩いていない。狭まっていますよね」と笑った。
「沈黙の艦隊」シリーズは、Amazonプライムビデオが国内で映像制作をスタートして5年で初めて日本の劇場版映画を製作した23年の映画第1作、24年2月には連続ドラマ「沈黙の艦隊 シーズン1〜東京湾大海戦〜」が、国内のドラマシリーズとして初めて全世界に配信した。大沢は、その反響を感じたエピソードを明かした。「海外の、ある電気屋さんで電気用品を買っていた時、店員の女性に『カイエダ』『面白かった』と声をかけられた。作品の影響力を感じ、世界配信なんだと感じた。男っぽい作品なので、女性に気に入られなかったら? と思ったら…社会問題への関心を感じます」と言い、笑みを浮かべた。
「沈黙の艦隊」は、漫画家かわぐちかいじ氏(77)が1988年(昭63)から96年まで漫画誌「モーニング」に連載し、累計発行部数3200万部(紙・電子)を誇る同名漫画が原作。日米共同で極秘裏に建造された日本初の超高性能原子力潜水艦シーバットの艦長となり、日本人でありながら米艦隊所属となった海江田四郎が、理想の世界の実現を目指し、核ミサイルを積んで乗員76人を伴い航海中に反乱逃亡。自らを国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を全世界へ向けて宣言。日本との交渉を進める意向を示すと米国は核テロリストと判断し、撃沈を図った。
前作のドラマ「−シーズン1〜東京湾大海戦〜」後半では、沖縄沖海戦、東京湾が舞台となるバトルシーンを描いた。海江田は、天才的な操舵で幾つもの海戦を潜り抜け、海上自衛隊をも巻き込んだ東京湾での大海戦で米第7艦隊を圧倒し、国連総会へ出席すべくニューヨークへ針路をとった。それを受けた「−北極海大海戦」では、冷たい北の海で繰り広げられる緊迫の魚雷戦。砕ける流氷を回避しながら、最新鋭潜水艦同士が激しくぶつかり合う、原作漫画随一のバトルシーンとなった北極海大海戦を描いた。さらに、連載当時にテレビ特番が組まれるほどの社会現象となった、やまとの是非をめぐって衆議院が解散され、行われた「やまと選挙」も描いた。
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