「ダウンタウンチャンネル」始動で思い出される「松本人志映画大ゴケ」の黒歴史 業界人は「二の舞になる可能性も…」

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ダウンタウンの松本人志(写真:アフロ)

 お笑いコンビ「ダウンタウン」が手掛けるインターネット配信サービス「ダウンタウンチャンネル(仮称)」が、11月1日から始動することが吉本興業により発表された。

 ダウンタウンの松本人志(61)は「週刊文春」で報じられた性加害疑惑を事実無根とし、昨年1月8日から裁判に注力するために芸能活動休止すると発表して以来、公の場から姿を消している。そんな松本が活動再開の場所として選んだのが「ダウンタウンチャンネル」だとされる。

 同サービスははYouTubeをはじめとした既存のフォーマットではなく、吉本が新たに構築した独自のプラットフォームで展開され、定額でサービスを利用できるサブスクリプションになると言われているが、一体どのようなものなのか。民放テレビ局の情報番組スタッフはこう話す。

「提供されるサービスは『ダウンタウン』として展開する企画はもちろん、松本さんや浜田雅功さんそれぞれがメインを張る企画もあると言われ、ユーザーが参加可能なライブ配信も予定されています。2人が過去に出演した地上波のテレビ番組やドラマ、映画などをアーカイブ配信するとも言われていますが、こちらは番組を放送したテレビ局や映画配給会社との交渉次第となるでしょう。吉本は『各種コンテンツの制作を拡大』『番組フォーマット等の海外展開』を目的としたコンテンツファンドの組成を公表しています。国内外の企業から数十億円規模の資金を調達するとしていますが、『ダウンタウンチャンネル』がその第1弾となるのでしょう」

 松本にとっては今後の芸能生活を占う意味でも重要な場所となり、吉本にとっても新たなビジネスの命運を握ることになりそうな「ダウンタウンチャンネル」。SNS上でも「松本さんのお笑いがまた見られるのはうれしい」「つまらなくなったテレビでできないことをやってほしい」など大きな期待が寄せられている。

「いまさら言うまでもないことですが『ダウンタウン』は数多くの人気番組を世に放ち、現在活躍している芸人たちにも多大な影響を与えたカリスマです。松本さんはAmazon Prime Videoとタッグを組んだ『ドキュメンタル』シリーズをはじめ、すでにテレビ以外の分野でも成果を出していますし、多くの期待が集まるのも当然でしょう」(前出の番組スタッフ)

「大日本人」(2007)を撮影中の松本人志(写真:Everett Collection/アフロ)

■映画事業だけで莫大な赤字?

 もっとも、「ダウンタウン」や松本の実績は認めつつも、「事業としては厳しい」との見方もある。ITライターはこう語る。

「まず考えるべきは『ダウンタウンチャンネル』は利用することにお金がかかる有料コンテンツだということ。やはり無料と有料の壁はありますし、この手の芸能人、著名人によるコンテンツは人気や知名度がそのまま成果につながるとは限りません。『ダウンタウンは好きだけどお金を払ってまでは……』というファンも当然いるでしょう。昨今は、ライブ配信アプリなどで知名度が低いライバーや地下アイドルなんかが“投げ銭”で大金を稼いでいますが、その背景には『夢を応援してあげたい』『自分たちが支えてあげよう』というファンの“熱量”がある。その点、『ダウンタウン』の2人はすでに芸能界で大成功を収め、かなりの財産も築いていますから、そうしたファンのエネルギーはそこまで期待できそうもありません。仮に、最初はある程度の課金ユーザーが集まったとしても、コンテンツの中身だけでその“数字”を長期的に維持するのは至難の業ですし、吉本サイドもかなりの投資をするでしょうから、ビジネスの規模感を考えても難しさはあると思います」

 そうした中、思い起こされるのがかつて吉本が莫大(ばくだい)な投資をした松本による映画事業だろう。

 バラエティー番組を手がける放送作家はこう振り返る。

「松本さんと吉本が手がけた映画事業が大ゴケしたのは覚えている人も多いでしょう。吉本は2007年公開の『大日本人』をはじめ、松本さんが監督を務めた映画4本に莫大な投資をしました。映画の製作費は1本あたり10億円以上と言われ、その流れで『沖縄国際映画祭』の運営にも長年携わるなどした結果、映画事業だけで莫大な赤字を出したと言われています。主導したのが『ダウンタウン』のマネジャー出身で当時社長だった大崎洋氏ということもあり、『さすがに映画に金をかけすぎ』『お笑いだけやっていればいいのにまた赤字ちゃうんか』など、水面下では、所属する芸人など内部からも疑問の声が出ていました」

■ダウンタウンの元マネジャーが主導

 今回の「ダウンタウンチャンネル」は、前述したように“外部”から数十億円規模の資金を調達する事業となるようなので、かつての映画事業ほどのリスクは負わずに済むかもしれない。それでも、心配の種は尽きないようだ。

「映画事業を牽引した大崎元会長はすでに会社を離れていますが、同じく『ダウンタウン』の元マネジャーで現在のトップである岡本昭彦社長が主導しているという話ですし、吉本はかなり前のめりになっているのは間違いないでしょう。そもそも、観客が能動的にお金を払って鑑賞する映画も、ある意味では『ダウンタウンチャンネル』と同じ有料コンテンツです。当時の松本さんは今以上にカリスマ的な人気を誇っていただけに、吉本上層部も『きっと映画も成功するはず』と高をくくっていましたが、そのもくろみは外れてしまったわけです。今回の事業もその“二の舞”になる可能性は否定できません」(前出の放送作家)

 ネット配信サービスに舞台を変えて新たな“有料コンテンツ”に挑戦する松本だが、華々しい復帰の舞台となるのか否か。

(立花茂)

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