「あんぱん」異例 作者自身モデルの役が登場!のぶ子役・永瀬ゆずな20週ぶり2役目のワケ CP語る裏側

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 女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は28日、第109回が放送され、脚本を務める中園ミホ氏(66)本人をモデルとした小学4年生の少女・中里佳保が登場した。主人公・朝田のぶの幼少期を好演した子役・永瀬ゆずな(10)が今作2役目に挑み、第2週以来20週ぶりに再登場。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と文通をしていたことがある中園氏にしか書けない唯一無二の秘蔵エピソードで、作者自身をモデルとしたキャラクターが朝ドラに登場するのは異例。制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサー(CP)に舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。やなせ氏と妻・暢さんをモデルに、戦争に翻弄されながら激動の時代を生き抜き、「逆転しない正義」にたどり着く柳井夫妻、のぶと嵩の軌跡を描く。

 第109回は、柳井嵩(北村匠海)にファンレターをくれた小学生4年生の女の子・中里佳保(永瀬ゆずな)と文通を開始。数週間後、佳保は祖父の中里砂男(浅野和之)とともに柳井家を訪れる。柳井のぶ(今田美桜)と嵩は笑顔で迎えるものの、ニコリともしない。辛辣な言葉の連発に、2人はタジタジとなり…という展開。

 佳保は「家があんまりボロだから、固まってただけ」「漫画も描いて。代表作、描いて。そっか、ないのか」などと毒舌を連発。しかし、最愛の父を亡くしたばかりで、砂男は「それをあなた方に見せまいとして、虚勢を張ってるんだと思います」「しばらくは泣いてばかりおりましたが、ある日、偶然、あなたの詩集(愛する歌)を読んで、少しずつ元気になって」と明かし、感謝した。

 佳保は朝田蘭子(河合優実)と映画談義。意気投合した。好きな詩も「てのひらのうえのかなしみ」で同じだった。

 嵩は佳保の似顔絵を描き、贈る。喜びとは裏腹に、佳保は「これ、私?似てないなー」「さっき見た太ったあんぱんのおじさんは、何か好きだったよ。カッコ悪いけど」「やないたかし先生、めげずに描きなよ」――。

 やなせ氏との文通が始まったのは、中園氏が父を亡くした10歳、小学4年生の時。母が買ってきたやなせ氏の詩集「愛する歌」第二集の中にあった「たったひとりで生まれてきて たったひとりで死んでいく 人間なんてさみしいね 人間なんておかしいね」が少女の心を捉えた。

 中園氏は「索漠した詩ですが、『父もやなせさんの詩と同じなんだな』と悲しみから救われたんです」。その思いを手紙にして送ると、すぐに返信があり、約40歳差のペンフレンドになった。

 文通エピソードを今作に盛り込むのは、中園氏が制作初期の段階から構想。倉崎CPは「中園さんが子どもの時に『愛する歌』に救われていなければ、やなせさんと文通をしていなければ、『あんぱん』というドラマ自体、もしかしたら生まれていなかったかもしれません」と振り返った。

 佳保は1話限りの新キャラクターだが、重要な役回り。キャスティングは迷うことなく永瀬に再オファーした。

 のぶの幼少期は昨年秋に撮影したが、チーフ演出の柳川強監督も「大人の役者と同じ感覚で対話している」と演出意図の理解力を絶賛。倉崎CPも「とにかく芝居が達者。既に一人前の役者さんです」と演技力に絶大な信頼を置き、2役目を託した。

 「この年代は身長が伸びるのも早いですし、髪形も変えれば、彼女の演技力もありますから、のぶとは別人になってくれるはず」と期待。「それに加えて、永瀬さんの再登場は、視聴者の皆さんにも喜んでいただけると思いました」と起用理由を明かした。

 永瀬は半年以上ぶりとなるスタッフとの再会を照れくさそうに喜び、本役・今田&北村も永瀬との“初共演”を歓迎していたという。

 脚本家自身をヒロインのモデルとした朝ドラには、橋田壽賀子さんの自伝的小説をドラマ化した第52作「春よ、来い」(1994〜95年)がある。

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