
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)を巡る冤罪(えんざい)事件で、警視庁が公安部の捜査について「幹部が本来の役割や管理責任を果たしていなかった」とする内容の検証報告書をまとめる方向で最終調整していることが関係者への取材で判明した。警察当局は、捜査に関わった歴代の公安部幹部らを処分する方針。退職して処分できない幹部を「処分相当」とするのを含めて、対象は20人程度に上るとみられる。
冤罪事件を巡っては、軍事転用可能な噴霧乾燥器を輸出したとして、大川原化工機の社長ら3人が外為法違反で2020年に逮捕・起訴されたが、21年に起訴が取り消された。
その後の国家賠償訴訟では、1、2審とも警視庁公安部と東京地検の違法捜査を認定。被告の東京都と国は上告を断念し、計約1億6600万円の賠償を命じた東京高裁判決(今年5月)が確定した。これを受け、警視庁は6月、検証チームを設置した。
関係者によると、検証チームは、捜査に関わった約40人に聞き取り調査を実施した。対象は…
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