もはや「モブキャラ」とは呼べない成長ぶり
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は日本映画史上最速で興行収入100億円を突破し、いまもなお快進撃を続けています。生き物のように変化し続ける「無限城」の構造や戦闘シーンのスピードと迫力、涙なくしては見られない「上弦の参」の「猗窩座」のエピソードが話題にのぼることが多いなかで、原作既読ファンの間では「見るのがキツイ……」「第2章は見られない」と言われているのが鬼に果敢に戦いを挑む一般隊士たちの姿です。
※この記事では『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の内容に触れています。
「無限城編」での一般隊士たちの活躍は、これまでとは比べものになりません。これまでは「弱すぎる」「意味ない」とまで言われていた彼らですが、「柱稽古編」を経て心身ともに大きく成長していました。「モブキャラのホープ」とも呼ばれる「村田さん」に至っては、以前は「薄すぎて見えない」とされていた「水の呼吸」のエフェクトが「見て分かる程度」に出ていて、なんだかんだ大騒ぎしながらも鬼の頸(くび)を斬って倒していました。
その村田さんも参加していた「那田蜘蛛山の戦い」では、一般隊士たちの戦闘力が「下弦の伍」である「累」や彼の「家族たち」にすら、まったくかないませんでした。「岩柱」である「悲鳴嶼行冥」の見立てでは、無限城に集められた鬼たちは「下弦の鬼に匹敵する程度の力」を持たされているということでしたから、以前の一般剣士たちでは戦力として期待できないということになります。
しかし「無限城編」での彼らは、「今こそ柱稽古の力を見せる時だぞ!」と一丸となって鬼たちに斬りこんでいったのです。さらに、「盾になれ! 俺たちが壁になって柱たちの消耗をおさえるんだ!」と、無惨を探して走る柱たちと襲ってくる鬼たちの間に割って入るというアニメオリジナルのシーンにも胸をつまらせた人は多かったのではないでしょうか? 実はこのシーンはTVアニメ「柱稽古編」第3話「炭治郎全快!! 柱稽古大参加」につながっています。
「元音柱」である「宇髄天元」のもとで基礎体力向上の訓練に励む一般隊士たちでしたが、天元や炭治郎との差は歴然でした。それでも彼らは心を奮い立たせ、誓うのです。「俺たちも、いつかは少しでも(柱や炭治郎たちが無惨を倒す)その支えになれるようがんばります」と。「無限城編」では、その誓いを守った一般隊士たちが鬼に立ち向かっていったと考えて見ると、ますます胸アツなシーンになるでしょう。
そして、「柱稽古編」で特に話題になったオリジナルストーリーといえば、第4話「笑顔になれる」での「霞柱」の「時透無一郎」が一般隊士たちと一緒に紙飛行機を飛ばすシーンです。無一郎とその後ろにいる一般隊士たちの今後の運命を知っている原作既読ファンからすると、「涙なしでは見られない」シーンだと言われました。今回の「無限城編」でも、一般隊士たちが頑張れば頑張るほど、彼らを待ち受ける運命を考え、「第二章を早く見たいけれど、心の準備期間が欲しい」と思う方も多いのではないでしょうか?
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