NHK連続テレビ小説「あんぱん」(月〜金曜前8・00)の4日放送分に「Mrs. GREEN APPLE」のボーカル大森元貴(28)が初登場した。ヒロインの夫で、漫画家のやなせたかしさんをモデルにした柳井嵩(北村匠海)と数多くの作品を手がけることになる作曲家いせたくや役。「見上げてごらん夜の星を」「手のひらを太陽に」などを生んだ作曲家いずみたくさんがモデルだ。
18歳の学生という設定で登場した大森は、人生初という学生帽に学ラン姿。初対面の柳井に興奮しながら早口で自身の経歴をまくし立てる演技で、わずか2分半のシーンながら強烈な存在感を放った。役作りで体重を3〜5キロ増量。「戦争パートで北村くんが減量していたので、戦争が終わって次の世代として新しい光に見えるといいなと思った」。金髪にしていた長い襟足もカット。「朝ドラで黒髪になって襟足を切るから、その前は逆に伸ばして遊んでいこうと“朝ドラ逆算”でいろいろやりました」。細かいイメージ戦略も張り巡らせた。
やなせさん作詞の「手のひらを太陽に」など、現代に残る名曲を数多く残したいずみさん。「自分と比べるなんて恐れ多い」と謙遜するものの「ミセスは日常に当たり前に存在する大衆エンタメを大切にしている。だから人を明るくするという根幹は、いずみさんと通じる部分があるのかな」とシンパシーを感じている。今作を通じて「モノをつくる人間として“自分の曲が何十年後かに残るかもしれない”という自覚が芽生えた」と刺激を受けた。
今回は主演映画「#真相をお話しします」以来、2度目の俳優業。「音楽活動では自分と相対する時間が多いが(俳優業は)違う人の人生を送るので非常に興味深く楽しい」。ピアノを弾くシーンの撮影のため、普段の楽屋にピアノを持ち込み、わずかな時間を見つけて練習を重ねた。収録現場にいずみさんの親族が来た際、大森の演技を見て感動して涙を流したという。「認めてもらったような気がして感無量です」と喜んだ。今回は10〜50代までを演じる。現代を代表する音楽家で、エンターテイナーで、プロデューサーである大森がどう表現していくのか、今後にも注目が集まる。 (吉澤 塁)
≪制作統括・倉崎氏「役者の才能に感心」≫制作統括の倉崎憲氏は、大森の起用について「年代問わず多くの人に届くメロディーを作られる方という点で(いずみさんと)リンクする部分を感じた」と説明した。倉崎氏がミセスのライブを観賞した際「大森さんの間の取り方、たたずまい、しぐさ全てに引かれました」と直感に訴えかけるものがあったという。「このタイミングを逃すと一生後悔する」との思いで翌朝にオファーを出した。そんな大森の演技について「大森さんの役者としての才能に感心している」と絶賛した。
ミセス大森元貴 いずみたくさん役で「あんぱん」出演 5キロ増量 髪も「“朝ドラ逆算”でいろいろと」
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