本人の希望じゃなかった?
2025年7月18日に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』でも、その可憐な姿で彩りを与えるのが恋柱・甘露寺蜜璃です。大画面での彼女の華麗な戦闘シーンは見ものですが、改めて気になるのがあの特徴的な隊服です。
他の女性隊士と明らかに違う、胸元が大きく開いたデザインに「なぜ彼女だけ?」と疑問を抱いた方も多いはずです。
一見するとキャラクターの個性を表現したデザインのようにも見えますが、実はその裏には鬼殺隊組織内のひとりの男による「勝手な改造」がありました。
●鬼殺隊の隊服システム
鬼殺隊の隊服は、隊員の命を守る重要な装備です。特殊な繊維で作られており、通気性が良く、濡れにくくて燃えにくい特性を持ちます。さらに雑魚鬼程度の爪や牙では破れない頑強さを兼ね備えています。本来であれば、体を守るために肌の露出は最小限に抑えられるべき防護服なのです。
この隊服を製作・修復するのが、鬼殺隊の事後処理部隊「隠」に所属する縫製係です。特殊な繊維を扱う高度な技術が要求される重要な役職ですが、その中にひとりだけ問題のある人物がいました。
●「ゲスメガネ」の暴走
その男の名は前田まさお。「隠」に所属し、隊内では「ゲスメガネ」という直球すぎるあだ名で呼ばれています。彼の問題行動は、美しい女性隊員や少女隊員の隊服に独断でアレンジを加えることでした。
甘露寺蜜璃が初めて隊服を受け取った際、明らかにサイズが合わないと感じました。胸元が大きく開き、本来なら首まで閉まるはずのボタンが機能していません。困惑する蜜璃に対し、前田は「ドンピシャです」と断言し、「女子は全員このデザインなのだ」とウソをついて信じ込ませたのです。
実は蟲柱・胡蝶しのぶも同様の手口で露出度の高い隊服を渡されていました。しかし、胡蝶は静かに怒りを爆発させました。前田の目の前で隊服に油をかけ、マッチで火をつけて燃やしてしまったのです。
●素直な蜜璃の受け入れ
一方、天真爛漫で素直な性格の甘露寺蜜璃は、前田の説明を疑うことなく受け入れてしまいました。「女性隊士は皆このような隊服を着ているのだ」と思い込み、そのまま着用を続けることになったのです。
蜜璃は筋肉密度が常人の8倍という特異体質を持ち、新体操のリボンのようにしなる特殊な日輪刀を操ります。このような戦闘スタイルを考えると、前田の「邪な改造」が動きやすさにつながった面もあるのかもしれません。
なお、蜜璃が履いている縞模様の靴下は蛇柱・伊黒小芭内からのプレゼントです。前田のけしからん思惑とは対照的に、足元には純粋な好意が込められています。
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