俳優の岡田龍太郎さん(31)が6月8日、SNSで「令和6年度司法試験に合格しました」と報告し、話題になった。25歳の時に『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)で仮面ライダーバルカンを演じ、27歳だった2021年9月に『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(TBS系)第10話への出演を告知して以来、3年9カ月SNSでの発信を断っていた岡田さん。
仮面ライダー俳優→司法試験合格というと華々しいサクセスストーリーに見えるが、本人の口から語られたのは、意外にも「挫折」の人生だった。

岡田龍太郎さん ©︎文藝春秋 撮影・細田忠
「寮生活はめちゃくちゃ辛かったです」
――司法試験合格おめでとうございます。岡田さんのお父さんは医師で、お母さんは元薬剤師だったそうですが、やはりもともと教育熱心なご家庭だったのですか。
岡田龍太郎(以下 岡田) 確かに勉強に対しては厳しい両親でしたね。小学生の時点で普段から勉強させられたり、厳しい塾に入れられたりしていました。進学塾というよりは問題児をビシバシ暴力で指導するスパルタな感じで、今は潰れちゃったんですけど。
――なぜそんな塾に入れられたんですか?
岡田 きょうだいは入れられていないので、僕があまり言うことを聞かない“問題児”だったからだと思います。ただそういうところって不良が入れられるので、僕が小学生のときには中学校の本当に悪い先輩たちがいて、その人たちの影響でむしろ生活態度にはマイナスの影響があったと思います。
――それでも中学受験で函館ラ・サールに合格しています。
岡田 出身は兵庫なんですけど、中学受験で受かった中から函館へ行くことになりました。「北海道へ飛ばされた」形ですね。
――親元を離れての寮生活はいかがでしたか?
岡田 寮生活はめちゃくちゃ辛かったです。男子校だし、大きい部屋に2段ベッドがずらっと並んでいるだけでプライベートもほとんどなし。外出も6時半まで、みたいにルールが厳しくてしんどかったです。当時は6時半から自習の時間がたしか3時間ぐらいあって、“義務自習”って呼んでました。
――「自習」なのに「義務」なんですね。
岡田 僕も不思議だなと思ってました(笑)。ラ・サールの寮は、ゲームを持ち込んだら全部ぶっ壊されるような世界だったんですけど、音楽だけは「英語のリスニングCDです」と誤魔化せるので持ち込めました。後輩に借りたミスチルのCDにハマって、ミスチルを聴くことだけが唯一の楽しい時間でした。
――高校は中退されたそうですが、何かきっかけがあったんでしょうか。
岡田 東大を受験すると決めたんですけど、受験って使わない科目があるじゃないですか。当時の僕は「受験に必要ない科目は一切やらない」と決めてしまって、そうしたら学校の成績が悪くなって、留年しちゃったんです。もともと学校が楽しくなかったので高卒認定試験の勉強もしていて、それを取ってから留年し、中退しました。
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