6月いっぱいの嘱託契約は更新されず…
元フジテレビ取締役でBSフジのニュース番組『プライムニュース』のキャスターだった反町理氏(61)が、8月1日にYouTubeチャンネル『NEXTV LAB』内でインタビュー番組『反町理のソコが聞きたい!!』をスタートさせた。
反町氏といえば、元タレントの中居正広氏(52)とフジテレビの一連の問題で、今年3月27日に他の役員とともに取締役を退任。同31日に発表された第三者委員会の報告書で’07年当時の部下に対するハラスメント行為を指摘され、『プライムニュース』の出演を見合わせた。さらに6月いっぱいだった嘱託契約が延長されずに同番組を降板、退社していた。
『ソコが聞きたい‼』は8月1日、第1弾の動画として、参院選を終えたばかりの国民民主党・玉木雄一郎代表(56)へのインタビュー動画前編をアップ。冒頭では反町氏がスタッフの質問に回答する形で、初めて退社について言及した。
「本当に長い間、『プライムニュース』を応援してくれた方たちに、4月に何の説明もなく降りたこと、この件に関して本当に深くおわび申し上げます」と謝罪した反町氏。嘱託契約が延長されなかったことで「覚悟が決まった」と振り返り、「テレビには放送法というものがある。それに比べネットには自由がある。ネットの世界で今後の日本のあるべき方向性をとことん追及していく。『ご期待ください』とは絶対に申し上げられませんが、精いっぱいやっていきます」と意気込みを語った。
「さすがに心労がたたったのか、『プライムニュース』に出演していた時よりもかなりやつれた印象です。反町氏のハラスメント問題は『週刊文春』が’18年に報じたものの、反町氏に処分は下されず、その後、出世を重ねました。そのことに反感を持つ社員は少なくありませんでした。
長年ウチの局の〝ドン〟だった日枝久氏に気に入られていた反町氏ですが、清水賢治社長(64)の新体制下では、日枝派の人間はほぼ主要ポストから外されてしまいました。ハラスメント問題がなかったとしても、反町氏との契約延長はなかったかもしれません」(フジテレビ社員)
『プライムニュース』時代の話術は健在
玉木氏へのインタビュー動画は7月29日に収録されたという。
「おつかれさまでした。(参院選は)暑かったですけど、(東大時代に)十種競技の選手だった玉木雄一郎からすればあのぐらい屁でもないですか?」
反町氏は、最初にさりげなく玉木氏のスポーツ歴を盛り込んで話を切り出すと、その後は理路整然と参院選や政局を語る玉木氏に対して絶妙な聞き役に徹していた。
インタビューの前編動画の再生回数は13万回(8日現在、以下同)、2日にアップされたインタビューの後編動画は8.3万回、視聴者から募った質問を玉木氏にぶつけた別番組『あなたの質問に応じます‼』は4日にアップされ12万回を記録。登録者数は1.98万人に伸びた。
「好評だった『プライムニュース』時代の話術は健在でした。インタビューの中では、自ら玉木氏の演説会場に複数回にわたって足を運んで、どの媒体も記事にしていないような目撃談なども明かし、玉木氏も感心していました。
今後も続々と反町氏の人脈により大物政治家たちの登場が期待されます。玉木氏とのやり取りは終始、穏やかなムードでしたが、『プライムニュース』時代のような丁々発止のやりとりも期待されます。他の政治系YouTuberを脅かす超大物YouTuberになりそうですね」(政治部記者)
「人脈がどのぐらいあるか」がカギに
「政治の話題に触れる」という広い意味での政治系YouTuberはその大半が識者たちが政治について語るスタイルだ。反町氏のように大物政治家と直接対峙するスタイルはなかなかない。このスタイルで反町氏はYouTuberとして成功できるのだろうか。
元NHK職員で、政治番組も担当していたジャーナリストの中村真二氏は「あくまでも、玉木氏へのインタビュー前編の動画を見ての感想」としながらも、「期待しかない」と語る。
「まず、冒頭のフジ退社について語っていた動画も、嫌みがありませんでした。抱負を述べるところで、『日本は大変な時期に突入している』『今後の日本のあるべき方向性をとことん追及していく』という発言からは、危機感・覚悟を持ってYouTubeを始めたことが伝わります。
内容についても、参院選で躍進した国民民主の玉木氏という、今、多くの人が『話を聞きたい』と思っている人を呼んできて、じっくりと話を聞けるのはありがたい。視聴者は『なるほど、そういう理論で国民民主が動いていたんだ』と整理できます。テレビのインタビューは短いし、切り取っているのでそこまではわからない。こういう機会は他にないので、このスタイルはいいと思います」
ただ、今後についてわずかに危惧も抱いているという。
「玉木氏のような大物をずっと呼び続けられるのならいいのですが、それが可能なのでしょうか? 反町氏の人脈がどのぐらいあるかに期待はしています。動画は短いほうが視聴者ウケはいいかもしれませんが、それで数字が伸びなくても、迎合せずにこのスタイルを貫いてほしいものです。ただ、インタビュー前編のマイクの感じは聞きづらいところもあってもったいなかったですね」(中村氏)
たしかに、中村氏も指摘したとおり、一部では《音声が聞こえづらい》《画面がどんよりしている》など、動画としてのクオリティを批判する声があがっていた。反町氏は1日に自身のXで《音声悪くてすみません! 玉木代表後編はチャンネル選択で整えられるかやってみると制作陣が》とポストしている。また、玉木氏へのインタビュー動画の前編と後編のサムネイルが同じでわかりづらいという苦情があり、後から対応したようだ。
まだまだ試行錯誤中の様子も垣間見える反町氏のYouTubeチャンネルだが、ひとまずは順調な船出といったところだろうか。
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