ベビーカーの対面型と背面型、どちらが暑い? 実験を受けた対策は

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厳しい暑さの中、背面型のベビーカーをしっかりと覆い歩く女性=東京都中央区で2025年7月29日午後1時34分、小林努撮影 拡大
厳しい暑さの中、背面型のベビーカーをしっかりと覆い歩く女性=東京都中央区で2025年7月29日午後1時34分、小林努撮影

 炎天下でベビーカーに乗る子どもにとって、押す人と向かい合う「対面型」と押す人に背を向ける「背面型」では、どちらがより暑いのだろうか。

 厳しい暑さが続く中、健康科学などを専門とする武蔵野美術大の北徹朗教授がそんな疑問を解き明かす実験をした。結果はいかに?

温度と紫外線のデータを収集

 実験は7月20日午前11時45分~午後0時45分の1時間、東京都内の大学敷地内で行った。熱中症のリスクを示す「暑さ指数」(WBGT)は実験開始時点で33・3と、4段階で一番上の「危険(31以上)」領域に達していた。

 そうした環境の中、同じ型でいずれもグレーの対面型、背面型のベビーカーに赤ちゃんのマネキンを乗せて押し、頭部周辺、足元周辺の温度と紫外線情報を10秒ごとに収集した。

 その結果、頭部周辺の温度は対面型が平均38・3度(最大42・1度)となり、背面型の平均36・6度(最大39・5度)を1・7度上回った。足元周辺も、対面型は平均36・3度(最大39・0度)で、背面型の平均35・3度(最大37・3度)より1・0度高くなった。

 一方で、10秒ごとに収集した紫外線量の累積値は背面型の足元周辺が最も多い結果となった。2番目に多かったのは対面型の足元周辺、3番目は背面型の頭部周辺、最も少なかったのは対面型の頭部周辺だった。

 対面型は熱がこもりやすく、背面型は紫外線を浴びやすいことがデータで裏付けられた形で、北教授は「対面型は扇風機などで風を循環させ、温度や湿度を抑える工夫が必要だろう。背面型は紫外線を浴びやすいため、赤ちゃんに日焼け止めを塗るなどの対策をした方が良いのではないか」と語る。

「科学的知見を参考にして」

対面型のベビーカーを押す女性(写真はイメージ)=ゲッティ 拡大
対面型のベビーカーを押す女性(写真はイメージ)=ゲッティ

 また、今回の実験ではベビーカーを1時間押し続けたが、北教授は「立ち止まりながらゆっくり進んだ場合、対面型と背面型の温度差はもっと開いた可能性がある。さらに、黒や紺のベビーカーではより高温になるだろう」と話す。

 その上で「今夏は40度超えが頻発し、観測史上最高気温も更新した。暑さだけでなく、紫外線量も『日本人が経験したことのないレベル』になっている。猛烈な暑さや紫外線対策として、保護者の方などはこうした科学的知見を参考にしてほしい」と呼び掛けている。【野口麗子】

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