終戦前日の米軍による「京橋大空襲」から80年となった14日、大阪市城東区のJR京橋駅南口前で被災者慰霊祭があった。世話人会の主催で、遺族や住民ら約300人が参列し、犠牲者を追悼した。
京橋大空襲は1945年3月から8回あった大阪大空襲の最後の空襲。45年8月14日昼ごろ、米軍爆撃機B29の編隊が大阪城付近にあった兵器工場「陸軍造兵廠(ぞうへいしょう)」を爆撃し、近くの京橋駅にも1トン爆弾が落とされた。500~600人が犠牲になったとされる。
慰霊祭は55年から営まれており、この日も読経が響く中、参列者が焼香した。また、平和学習に取り組んでいる大阪市立旭東中の生徒らが「平和の尊さ、大切さ」をテーマに作文を朗読。2年の二沢優さん(13)は「駅の利用者がたくさん犠牲になったと知り、胸が締め付けられた。未来の平和のためにバトンを受け取り、空襲の悲劇を忘れず平和の大切さを考え続けたい」と述べた。
昨年に続き参列した淀川区の島章さん(67)は「終戦前日の見境ない攻撃でこれほどの人たちが亡くなったことが悔しい。今も世界で戦争が起こっているが、対話で解決を図ってほしい」と願った。【根本佳奈】
Comments