鏡の前で髪を切った日、私は変わると決めた──Baby’z Breath陽葵はるねが信じた再スタート

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 アイドルグループ「Baby’z Breath」(ベイビーズブレス、通称ベビブレ)の陽葵はるねが、自身のルーツや心に残る言葉について、スポニチ東京本社で語ってくれた。きっかけは、1枚の鏡の前に立った、ある日の決断だった。(「推し面」取材班)

 「何かを変えなきゃいけない」と思った瞬間があった。

 ずっと伸ばしてきた髪を、ボブに切った。それは単なるイメチェンではなく、自信をなくし、ステージの上でも笑えなくなっていた自分を、ほんの少しでも前に進めるための“行動”だった。

 「髪を切ったら、見てくれる人が増えたんです。『ボブかわいいね』とか『成長したね』って言ってもらえて、そこから少しずつ変われた気がしました」

 中学生の頃、「ラブライブ!」を観て憧れた世界。「アニソンが歌えるアイドルになりたい」という思いは胸にあったが、自信のなさから動き出せずにいた。初めてオーディションに挑戦したのは20歳を過ぎてから。王道アイドルとは異なる入り口で自身でも「メンバーの中では異質かもしれない」とほほえんだ。

 最初の頃のステージは極度の緊張で、客席を見られなかった。勇気を出して、目を合わせても、目が合うのは知り合いか自分を目当てに来てくれる人しかいない。客席から浴びる視線の厳しさを痛感し、終演後は泣いてばかりいた。特典会でも誰も来ない日が続き、

「こんなにも自分は見られていないのか」と打ちのめされた。

 それでも、ファンの前では泣かなかった。

 「“アイドルだから絶対にファンの前では泣かない”って決めてたんです。だからずっとニコニコしてて、一人になった瞬間に涙が出てました」

 悔しさも不安も、ステージの上で力に変えてきた。髪を切ったことが転機になった。「変わろう」と決めて踏み出した一歩が、はじめて「ちゃんと届いてる」と感じた瞬間につながった。「もっと頑張ろう」。悔しさは前を向く原動力になった。

 活動のなかで今も胸に残っている言葉がある。ダンスレッスンの先生からの「練習以上のものは出ない」という教えだ。

 「ステージで実際より良く見せようとしても、逆に失敗してしまうんですよね。だから、この言葉を胸に刻んで、自主練で鏡をたくさん見て表情管理を研究したりするようになりました。初めて観てくれた方に『パフォーマンスが好き』と言ってファンになってもらえることが多いので、この当たり前のことをずっと続けられる人でいたいなと思っています」

  “変わりたい”という気持ちが、あのときハサミを入れた自分を動かした。そしてその一歩が、誰かの心を動かす力になった。

 陽葵はるねの再スタート。それは、鏡の前の決意から始まっている。

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