加藤が勝ち上がる
前譜は黒145までとし、白146以降は総譜とさせていただいた。結果は黒の中押し勝ちであるが、白146以降に白が敗局を決定的にしてしまう場面があった。右辺、黒161に対する白162がそれである。この白162は、手どころの得意な鈴木らしからぬミスというしかない。
白162と打ったがため、黒163から165で黒一子を連れ戻されてしまった。これでは碁は大差。黒163を打たれた瞬間、鈴木は天を仰いだ。しかしすでに時遅しである。
白162は参考図、白1のツケだった。これなら黒一子を連れ戻されることはない。黒2以下の抵抗を試しても、白3以下7までと応じていてよい。黒に一子を連れ戻されなければ、碁は微細。どちらに転んでも不思議はなかった。秒読みに追われていたとはいえ、失着白162は鈴木にとって後悔余りあるだろう。
Comments