第81期本因坊戦予選 加藤充志九段-鈴木歩七段 第1局の5

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加藤が勝ち上がる

 前譜は黒145までとし、白146以降は総譜とさせていただいた。結果は黒の中押し勝ちであるが、白146以降に白が敗局を決定的にしてしまう場面があった。右辺、黒161に対する白162がそれである。この白162は、手どころの得意な鈴木らしからぬミスというしかない。

 白162と打ったがため、黒163から165で黒一子を連れ戻されてしまった。これでは碁は大差。黒163を打たれた瞬間、鈴木は天を仰いだ。しかしすでに時遅しである。

 白162は参考図、白1のツケだった。これなら黒一子を連れ戻されることはない。黒2以下の抵抗を試しても、白3以下7までと応じていてよい。黒に一子を連れ戻されなければ、碁は微細。どちらに転んでも不思議はなかった。秒読みに追われていたとはいえ、失着白162は鈴木にとって後悔余りあるだろう。

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