横浜市で「第9回アフリカ開発会議」(TICAD9)が開幕した20日、ケニアのウィリアム・サモエイ・ルト大統領(58)が市議会で演説し、山中竹春市長らと懇談した。2027年に市内で開催予定の国際園芸博覧会への参加を表明した。
市は「次世代育成」を中心に、ケニアと連携を進める。昨年度から市立横浜商高とケニア・アライアンス高の生徒の相互訪問を始め、交流を深めている。
ルト大統領の演説は市議会の歓迎行事として実施された。「ケニアと横浜の未来を共創する」をテーマに、本会議場で10分ほどスピーチし、両校の交流に関して「素晴らしい平和の大使。友情、信頼関係が生まれ、それは一生続く。プログラムの普及を願う」と述べた。傍聴席では横浜商の生徒も耳を傾けた。
横浜や日本との関係については「横浜が日本のゲートウエー(入り口)であるように、ケニアは東アフリカのゲートウエー。ケニアの発展に日本はなくてはならない」と指摘。「気候変動、食糧不足に一緒に対応し、平和に協力したい」と語った。その後の懇談会では、国際園芸博への参加要請に対し「ケニアも参加したい」と意欲を示した。
大統領に歓迎の花束を渡し、11月にケニアを訪れる予定という横浜商高2年の天野ももさん(16)は「大統領は優しく声をかけてくれた。現地で子どもたちに炊き出しをするのが楽しみ」と話した。
TICADは日本が主導し、国連などとの共催で1993年に始まった。アフリカの各国首脳らが開発の促進などを協議する。横浜での開催は19年以来4回目となる。22日まで。【岡正勝】
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