川村元気 作品で確かめる社会の無意識 新作「8番出口」 「引き返す」と「進む」こそ人生

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 いまの日本映画界、川村元気を抜きに語れまい。プロデューサーとして「悪人」「おおかみこどもの雨と雪」「君の名は。」「怪物」と、多くのアニメ、映画をヒットさせ、監督した「百花」はサンセバスチャン国際映画祭で監督賞。小説を書けばベストセラー。監督としての新作「8番出口」(29日全国公開)は、ゲーム原作のホラー調迷宮ものだが、ただの娯楽作にあらず。現代社会の深層に通じ、照準は世界に向けられている。5月のカンヌ国際映画祭で披露され、大喝采を浴びた。

 通常、映画製作者が原作を探すのは、「良いストーリー」を見つけるためだ。しかし、ゲームの「8番出口」に物語はない。プレーヤーは地下鉄通路のような迷路で「『異変』を見つけたら引き返す、なければ進む」というルールに従ってゴールとなる「8番出口」を目指す、シンプルな構造だ。

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