福山も石橋貴明も匿名だったのに名前が出て
アーティストで俳優の福山雅治(56)の名前が大きく取り沙汰されている。
元タレント中居正広氏(53)の女性トラブルに端を発した一連のフジテレビ問題で、第三者委員会の報告書に福山のことを指す部分があったというのだ。一報を伝えたのは『女性セブン』(9月4日号)。同誌によると、フジの大多亮専務(当時)が
〈懇意にしている特定の男性有力番組出演者との会合に女性アナウンサーや女性社員を同席させていた〉
とのことで、
〈当該会合における大多氏や当該番組出演者の会話がいわゆる下ネタ的な性的内容を含んだものであった旨述べる者も多数おり、不快であった旨述べる者もいた〉
という。ここで出てくる「男性有力番組出演者」が福山だった。
福山は同誌のインタビュー取材に応じ、一連の問題を釈明し謝罪。同日、所属事務所のアミューズも公式サイトで声明を発表した。
同社は
〈第三者委員会から、今年3月に、福山雅治のヒアリングへの協力要請をいただいておりました〉
と明かし
〈大多氏が主催した懇親会に本人が出席したことがあることは事実ですが、あくまで仕事先の会食にお招きいただいたとの認識のもと出席させていただいた次第であり、一連のフジテレビ問題で取り沙汰されているような問題はありませんでした〉
と説明した。
一連のフジテレビ問題では、中居氏が元女子アナX子さんとの“性的トラブル”が判明し、芸能界を引退。このほか、報告書では匿名だったものの『とんねるず』石橋貴明が過去に女性との会食でハレンチ行為を働いたことを大筋で認め、謝罪した。
芸能プロ幹部は
「第三者委員会の報告書で実名表記された芸能人は中居氏だけ。石橋さんも福山さんも匿名だったが、結果的に世に出た。局員を対象としたフジのヒアリング調査では、ほかにもタレントや芸人の名前が複数挙がったと聞いている。彼らも今ごろ戦々恐々としているのではないか」
と述べる。
もちろん、中居氏と福山の件は分けて考えなければいけない。
かたやX子さんに対する「性暴力」が疑われる事案、かたや飲み会での不適切な発言。福山は『女性セブン』の取材に、参加女性が不快な思いを抱いていたとは知らなかったと答え、猛省と謝罪の言葉を繰り返した。
「大多亮氏は20年ほど前から福山さんを囲む会を主催しており、女性アナも多く投入されてきた。最初の頃は女性アナも福山さんとお近づきになれるため、ノリノリで参加していたんですよ。福山さんの下ネタに動じず、むしろ自分からイケイケ話を披露する女性もいたほど。歯車が狂い始めたのは、コロナ禍前あたり。20代の女性アナにとって福山さんは自分の父親と年齢的に変わらない。世代間のギャップはあったと思いますね」(芸能プロ関係者)
若い頃であれば“ギャップ萌え”だったものが
中居氏の問題でも、一部でトラブルを「恋愛事案」として扱う声があった。これにX子さんは
〈父親と同世代の方に恋愛感情など1ミリもない!〉
と猛反発している。スポーツ紙芸能記者は
「“恋愛事案”というワードが一人歩きし、X子さんには誹謗中傷が寄せられたが、福山さんのケースを見ても“年齢の壁”は存在する。期せずして、中居氏側の『恋愛事案』という主張は苦しくなったのではないか」
と指摘する。
福山といえども越えられなかった“年齢の壁”。男女トラブルの相談を3万8000件以上受けてきた夫婦問題評論家の池内ひろ美氏に話を聞くと、
「典型的なオヤジ世代の勘違い」
とし、女性側の気持ちをこう代弁する。
「大スターでかっこいい福山さんが下ネタを話すっていうのは、若い頃はギャップ萌えみたいなのがあって、『気取ってなくていいよね』『フレンドリーだよね』って解釈されたんです。福山さんも中居さんも、自分が“アラ50”になったっていうことが分かっていないんでしょうね。
そのノリで20代の女の子にやっちゃうと、彼女たちにとってはやっぱり気持ち悪いんですよ。20代女性からすると、自分の父親世代の男性が下ネタを話すということは、誘っていなくても“自分を女として見ている”と受け取るんです。これは別に彼女たちの自意識過剰でもなんでもなく、要するに“自分はまだ男なんだ”っていうことを下ネタという形で見せることが、女性にとってなんとも気持ち悪いんです」
また、現代女性の“考え方の変化”も大きなポイントの一つで、
「私たち世代が20代のときはある意味で無敵だったので、部長や社長など偉い人たちが下ネタを言ったときは、『黙って。下品ですよ』と突っ込んだり、時には女性たちみんなで無視しちゃったりと、その場で拒否反応を示して解決していました。ですが今の20代は、“場を壊しちゃいけない”という思いが非常に強い。
嫌なヤツとか気が強いと思われたくない。気を使って表面を取り繕って、その場では言いません。だけど後で、コンプライアンス室や労基署に駆け込んだりします。その場ではニコニコしているので、下ネタを言っている男性は、『なんか楽しんでいたよね』って思い込んでいますが、実際は気持ち悪がられていると気づかない。その場でニコニコしていたり否定されないことが、ウケてるとか下ネタOKではないということを50代60代の“オヤジ世代”の人たちは絶対に知ってください」
と警鐘を鳴らす。
テレビ界や芸能界のみならず、一般企業でも“世代間ギャップ”を考えずに不快なトークを繰り広げる上司はいる。あの福山ですら時代の流れにアジャストできなかったのだから、決して対岸の火事ではない――。
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