JR西日本社長、「小浜・京都ルート支持」強調 北陸新幹線延伸計画

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インタビューに答えるJR西日本の倉坂昇治社長=大阪市北区で2025年8月21日午前11時17分、小坂春乃撮影 拡大
インタビューに答えるJR西日本の倉坂昇治社長=大阪市北区で2025年8月21日午前11時17分、小坂春乃撮影

 JR西日本の倉坂昇治社長が21日、毎日新聞のインタビューに応じた。北陸新幹線の福井県敦賀市から大阪市への延伸計画について「大阪まで直通運行できて効果が発揮できる」などと述べ、敦賀から同県小浜市を通る現行案の「小浜・京都ルート」を改めて支持した。

 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は2016年12月、延伸ルートを「小浜・京都」に決めた。米原駅(滋賀県米原市)で東海道新幹線に乗り換える必要がある「米原ルート」に比べて、新大阪駅(大阪市)までの所要時間が短いなどの利点を考慮した。

 ただ、小浜・京都については、地下水への影響などについて京都府内で懸念の声があるなど沿線自治体間で建設に対する温度差がある。このため、PT整備委員会の西田昌司委員長は今年7月、米原ルートを含めて再検証する考えを明らかにした。

 倉坂氏はルートについて「(北陸と関西を結ぶ)特急サンダーバードの利用状況から新幹線も京都付近を通ることが望ましく、大阪と直通することで効果を発揮できる」と強調。「地域経済にとっては開業が早いほど効果が大きい。地域の発展が遅れることは望ましいことではない」として、早期の全線開業を求めた。

 仮に「米原ルート」から東海道新幹線に直接乗り入れた場合、運行システムや地震対策の違いなどから「安全に運行を管理できるのか懸念を持っている。実現可能性は低い」と話した。

 一方、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)への鉄道延伸計画を巡り、大阪府・市の検討会はJRゆめ咲線(桜島線)を延伸する計画などを優位と判断した。倉坂氏は「新幹線が通る新大阪駅や大阪都市圏のネットワークと夢洲が結ばれる意義を認めていただいた」と評価。ただし、「単独で工事するのは非常に難しい。公的な資金も含めて、事業のフレームを作り上げていくことが課題になる」と述べ、実現に向けた支援の必要性を強調した。

 倉坂氏は6月18日に社長に就任した。【妹尾直道、小坂春乃】

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