ヤクルト―巨人(21日・神宮球場)
偉業達成に向けて弾みがつく快投だった。
史上4人目となる日米通算200勝まで残り2勝としている巨人の田中将大が5回1失点の力投。走者を置いても強気に攻める投球が功を奏した。
球速は145キロ前後。それでも直球にはヤクルト打線を押し込むだけの十分な威力があった。
味方の大量援護を受けた直後の二回だ。1死から二塁打を浴びてピンチを招いたが踏ん張った。ヤクルトの山田哲人を2球で追い込み、最後はアウトローに146キロ直球を決めて3球三振。続く岩田幸宏もカウント2―2から内角高めの直球で内野フライに仕留め、窮地を脱した。
過去2試合は、走者を背負った場面で制球が乱れて失点する場面が目立ち、「勝つのは難しいが、勝ちに導く投球をしなくてはならない」と反省が口をついた。今回は相手の反撃の芽をしっかり摘み、主導権を渡さなかった。
四回に一発こそ浴びたが、5回で81球を投じ被安打3。四死球は一つも与えなかった。納得の投球に「失点をしても最少失点で、と思いながら投げた」と語った。
勝利投手の権利を手に、マウンドを降りる表情には充実感がにじんだ。長い時間を経てようやくつかんだ確かな手応えだった。【牧野大輔】
Comments