今度は手榴弾使った接近戦も「ジョン・ウィック」シリーズのスピンオフ「バレリーナ」ほか シネマプレビュー 新作映画評

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公開中の作品から、映画担当の記者がピックアップした「シネマプレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。

「バレリーナ:The World of John Wick」

厳格なルールに従って生きる殺し屋たちを描く「ジョン・ウィック」シリーズのスピンオフ作。ジョン役のキアヌ・リーブスは脇に回り、復讐に燃えるヒロイン、イヴ(アナ・デ・アルマス)が活躍する。レン・ワイズマン監督作品。

謎の集団に父を殺されたイヴは、暗殺者とバレリーナ養成の組織「ルスカ・ロマ」に引き取られ、特訓を受ける。12年後、父のかたきの手がかりを得たイヴは制止を無視して敵地に向かう。彼女を処分するため、組織はジョンを送り込む。

奇抜で華麗なアクションは今回も健在。手榴弾を使った接近戦や火炎放射器同士の対決など、アイデア満載で飽きさせない。15歳未満は鑑賞不可。米映画。

22日から全国公開。2時間5分。(耕)

「隣のステラ」

 千明(福本莉子)は隣に住む幼なじみの昴(八木勇征)に片思いをしている。昴が若手モデル・俳優として一躍注目を集める存在になり勇気を振り絞って告白するが、「幼なじみとしてしか見てない」とつれない返答だ。

 同名漫画が原作。隣同士で家の窓越しに語る2人という昭和っぽい設定をはじめ、物語に新味は薄いかもしれないが、27歳の新鋭、松本花奈監督はセンス抜群だ。千明と昴が風にはためくカーテンの前を駆け抜けていく場面など、美しい映像の数々で千明の切ない思いを巧みに表現する。

 3月の「お嬢と番犬くん」に続いての学園恋愛もの。今や福本はこの分野の第一人者だ。

 22日から全国公開。1時間48分。(健)

「大統領暗殺裁判 16日間の真実」

1979年に起きた韓国の朴正熙大統領暗殺事件。その裁判を巡る弁護士(チョ・ジョンソク)、事件に巻き込まれて被告となった秘書官(イ・ソンギュン)、次期大統領の座を狙い、裏で裁判を操る合同捜査団長の軍人(ユ・ジェミョン)の3人の男たちの姿を、史実に基づき描く。

実在の人物がモデルになっており、興味深い。特に秘書官は現役軍人であったため、単審制が適用される軍法裁判にかけられ、公判開始から16日後に死刑判決が下された。脚色を加えサスペンス仕立てになっているが、人としてあるべき姿を問う作品でもある。監督は「王になった男」のチュ・チャンミン。韓国映画。

22日から全国順次公開。2時間4分。(啓)

「わたしは異邦人」

トルコを舞台に、母を探す女性が〝奇妙な人々〟との交流を経て成長する姿を描くエミネ・ユルドゥルム監督のファンタジー作品。東京国際映画祭「アジアの未来」作品賞を受賞した。

孤児のダフネ(エズキ・チェリキ)は、自分を捨てた母を探し、トルコのシデを訪れる。手がかりは古代遺跡を背景にしたピンボケ写真のみ。彼女は行き会った革命家や夜の女、言葉が話せない巫女らに助けを求めるが、彼らは決まって見返りを求め…。

古代からの記憶が幾重にも積み重なったような世界観が、美しい映像で描き出される。つらい現実と何とか折り合いをつけ、歩き出すダフネらの姿に心が温かくなる。トルコ映画。

23日から全国順次公開。1時間52分。(耕)

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