涅槃図に「ハート形の瞳」描かれた猫 京都の寺院が修復へCF募集

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猫が描かれた珍しい涅槃図を指し示す本昌寺の児玉真人住職=京都市上京区で2025年8月20日、大東祐紀撮影
猫が描かれた珍しい涅槃図を指し示す本昌寺の児玉真人住職=京都市上京区で2025年8月20日、大東祐紀撮影

 青い目に、ハート形の瞳――。

 京都市上京区の日蓮宗・本昌(ほんしょう)寺が、経年劣化が進んだ涅槃(ねはん)図を修繕するための費用をクラウドファンディングで募っている。釈迦の死を悲しむ鳥獣の中に猫が描かれているのが特徴で、涅槃図としては珍しいという。児玉真人(しんじん)住職(53)は「可愛い猫の涅槃図を今後も多くのみなさまに見ていただきたい」と期待する。

 涅槃図は、入滅する釈迦の周りで弟子や鳥獣などが悲しむ姿を描いた仏教画。東福寺の「大涅槃図」など、猫が描かれているものもあるが、一般的にはおらず、描かれないのは、一説によると「お釈迦様のために薬を運ぼうとしたネズミを追い払ってしまった」からという。

 本昌寺の涅槃図は、縦2メートル95センチ、横1メートル65センチ。左下に猫が小さく描かれている。青い目でハート形の瞳で、檀家(だんか)らからも「可愛らしい」と評判という。また、中央に「南無妙法蓮華経」のお題目が書かれているのも特徴だ。作者や同寺が所有することになった経緯など詳細は不明という。

1663年に創建された本昌寺=京都市上京区で2025年8月20日、大東祐紀撮影
1663年に創建された本昌寺=京都市上京区で2025年8月20日、大東祐紀撮影

 涅槃図の裏書きに、文久3年(1863年)に檀信徒らが修繕したとの記載がある。前回の修復から160年以上が経過しているとみられ、黒ずみやシミなどが目立ち、児玉住職は「毎年2月から4月に本堂で公開していたが、痛みがひどく、このままではいつまでもつかわからない」。

 クラウドファンディングは、修繕費用として300万円を目標に8月4日から始めた。返礼品は、涅槃図の猫が描かれたハンカチや、半日修行体験などを予定している。目標額に達しない場合は断念し、全額を返金する「オールオアナッシング」方式を取る。支援募集期間は9月30日までで、専用サイト(レディーフォー)で受け付ける。【大東祐紀】

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