東京都新宿区のマンションで7月、男性(当時35歳)の遺体が見つかる事件があり、警視庁捜査1課は22日、男性を殺害し現金などを奪ったとして、知人で同区新宿2の職業不詳、北誠一被告(30)を強盗殺人容疑で再逮捕した。
再逮捕容疑は6月23日午前9時15分~正午ごろ、新宿区新宿6のマンションの一室で、杉並区和泉2の無職、成瀬壮一郎さんの頭部を金属バットで複数回殴って殺害し、現金約180万円や商品券などが入ったショルダーバッグを奪ったとしている。「話したくありません」と供述し、その後黙秘しているという。
事件は7月1日、マンションの浴室で成瀬さんの遺体が見つかり発覚。マンションの部屋はアダルトビデオの撮影や画像編集などで使われていたという。
警視庁は、成瀬さんの仕事仲間で、部屋に出入りしていた北容疑者を同2日に死体遺棄容疑で逮捕。また同10日には、北容疑者の地元の友人で職業不詳、梨本俊弘被告(31)=埼玉県上尾市=も同容疑で逮捕した。2人は死体遺棄罪で起訴されていた。
警視庁によると、防犯カメラの解析から6月23日午前9時15分ごろ、成瀬さんが現場のマンションに入り、正午ごろ北容疑者が退出していた。成瀬さんは日常的に現金百数十万円をバッグに入れて持ち歩く習慣があるが、現場などにそのバッグはなかった。そのため警視庁は北容疑者が成瀬さんを殺害した後、所持金を奪ったとみている。現金は借金返済や遊興費などに使ったとみられる。
警視庁によると、遺体にはポリ袋やブルーシートがかけられており、頭部には鈍器で殴られたような複数の痕があった。その後の捜査で、梨本被告名義で借りられた新宿区東新宿のレンタルスペースから、成瀬さんの血が付いた金属バット1本が見つかり、凶器と特定された。
また、そこからは成瀬さんが財布として使っていたバッグやスマートフォンも見つかった。付近の防犯カメラには、7月1日午後に北容疑者が成瀬さんの所持品を持ち込む様子が映っていた。
梨本被告は死体遺棄容疑での逮捕後、「(北容疑者に)片付けを手伝ってほしいと頼まれ、断れなかった」と容疑を認めたという。警視庁は、梨本被告は殺害には関与していないとみている。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】
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