◆『作曲人生讃歌（さんか）』
（ヤマハ・2750円）
今年で還暦を迎えた作曲家、岩代太郎の初の自叙伝。学生時代から実力は評価され、手掛けた映画やテレビドラマなどの音楽は200本を超える。日本アカデミー賞優秀音楽賞に輝いた映画「血と骨」をはじめ、NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」、劇場版アニメ「るろうに剣心」など幅広いジャンルの音楽作品を世に送り出した。
あふれる才能とそれを支える努力、雲の上の存在にも臆せず自身を売り込む行動力に圧倒される。ただ、東日本大震災で支援に当たる医療や行政などの関係者と違い、作曲家は「役に立たない職業」と痛感するなど、さまざまな苦悩も書いた。
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