
夏休み明けは子どもの不登校が増える傾向にある。
「学校嫌いという感覚はまっとう」
気鋭の詩人で芥川賞候補作家の向坂(さきさか)くじらさん(31)は自身の不登校経験を踏まえそう話す一方、「勉強なんかしなくても生きていける」という考え方には懐疑的だ。
生きる力を得るための学びの方法を聞いた。
「君のような人こそ学歴」に納得
――埼玉県桶川市で国語専門の塾を開き、不登校の子どもと関わっているそうですね。
◆かつて私も、学校が好きになれない子どもでした。
学校の人間関係や先生になじめず、そこで推奨されている勉強にやる気が起きませんでした。
だからといって、その違和感を表明する手段が「勉強しないこと」になってしまっていたのが良くなかったと反省しています。
高校2年生のころが反抗のピークで、周囲であったいじめと、それに対する学校や先生の対応への不信感が原因で、夏休み明けから登校拒否をして、その後は保健室に通っているような状態でした。
幸運にも知人の紹介で柳原浩紀先生が主宰する自学自習形式の塾「嚮心(きょうしん)塾」に通い始め、学校以外の場所で勉強する機会に恵まれました。
――「勉強嫌い」から勉強の意味にどう気付きましたか。
◆柳原先生からは「学歴で人の賢さが判断できるとは思わないが、そう判断する人は多い。…
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