ナラ類やシイ・カシ類の樹木が枯れる伝染病「ナラ枯れ」を起こす害虫「カシノナガキクイムシ(カシナガ)」が、今夏に北海道などが行った生息調査で昨年の約9倍の1026匹確認された。道南で生息地域がさらに拡大していることも判明し、道立総合研究機構林業試験場(美唄市)の担当者は「予想していた中でも最悪の増え方」と懸念を示している。
ナラ枯れは元々道内では発生していなかったが、2020年に松前町と福島町で5匹のカシナガが確認され、23年からは被害木が増えていった。青森県から飛来し、道内の森林で繁殖しているとみられる。
前回の調査は道南地域の30カ所にカシナガをおびき寄せるトラップを設置したが、今回は50カ所に増やして実施。カシナガは函館市や八雲町など新たに4市町で発見され、確認された自治体数は計8市町になった。
道や林業試験場は9月以降、ヘリコプターで上空から葉が変色した被害木を探すなどして、被害の実態を調べる。【後藤佳怜】
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