
参院選での大敗を受け、自民党内で広がった退陣論がくすぶり続ける石破茂首相(党総裁)だが、辞任すべきかどうか世論は割れている。
続投を求める声は自民支持層に加え、野党支持層の間にもあり、国会周辺では石破氏の続投を求めるデモも行われた。
石破政権に「ノー」を突きつけた参院選の結果とは異なる、もう一つの「民意」が存在するようだが、そこから見えてくるものは何なのだろうか。
<主な内容>
・自民支持者が許せないもの
・「石破氏辞任なら話は違う」
・野党支持者の胸の内
・デモは「選挙結果無視」なのか
・政治学者がくみ取った切実な思い
納得できない「石破降ろし」
「辞めるな」
「踏ん張れ」
8日夜、東京・永田町の自民党本部前に集まった人たちが声を上げていた。
参院選後、3回目となる石破氏の続投を求めるデモだ。
始まった午後7時の時点で参加者はまばらだったが、時間の経過とともに増え、最終的には100人以上になった。
千葉県浦安市から来た翻訳業の女性(59)は、「石破辞めるな」と書いたうちわを持参して参加した。
裏金問題に関わった議員らが「石破降ろし」に走っていることに納得がいかず、過去2回のデモにも足を運んだという。
「石破さんに『辞めろ』と言っている議員こそ、自民党が信頼を失った大きな原因ではないでしょうか。自分たちのことを棚に上げて、参院選で負けた責任を石破さんになすりつけているようにしか見えません」
タカ派に不安感
女性は積極的に自民を支持しているわけではないものの、選挙では大体、自民に票を入れてきた。
野党第1党の立憲民主党は頼りなく、支持する気にはなれない。
「やっぱり政権は自民じゃないと」
米国との関税協議など重要課題が山積する今はなおさら、そう思う気持ちが強い。
ただ、石破氏が辞任した場合は話が違ってくる…
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