高校野球・夏の甲子園決勝(23日)
○沖縄尚学3―1日大三(西東京)●
2年生投手2人を好リードし、バットでは力強く援護した。沖縄尚学の初の栄冠は、「4番・捕手」の宜野座恵夢(えいむ)が攻守にわたる活躍でたぐり寄せた。
同点の六回2死二塁。おなじみの応援曲「ハイサイおじさん」が響き渡る中、狙い球とは違ったが、外に逃げるスライダーを引っ張った。三遊間を破る適時打となった。
「応援が力になって、120%の力を出せた」
この回の途中から登板した日大三のエース右腕・近藤優樹からもぎ取った勝ち越し点だけに、価値が高かった。
1点リードの八回は中堅左へ適時二塁打を放ち、駄目押しした。1死からでも送りバントで走者を進め、託された好機だった。
「期待にうまく応えることができてよかった。自分が結果を残して優勝できたのはとてもうれしい」とはにかんだ。
扇の要として、チームが掲げる守りの野球も体現した。経験の浅い右腕・新垣有絃(ゆいと)を緩い球を使って強気にリードした。
最大の山場となった九回、悪送球で1死一、三塁とピンチを広げたエース左腕・末吉良丞(りょうすけ)に「1点は仕方ない」と気持ちを切り替えさせて、最後は併殺で締めた。
2人の投手の良さを存分に引き出し、宜野座は優勝の味をかみ締めながら言った。
「(2年生は)自分たちの世代よりもポテンシャルがある。2人を中心に、センバツを目指してほしい」
1983年の池田(徳島)以来となる「夏春連覇」の夢を託した。【長宗拓弥】
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