第107回全国高校野球選手権大会第15日の23日、日大三(西東京)は決勝で沖縄尚学(沖縄)に1―3で惜敗し、2011年以来14年ぶり3回目の優勝はならなかった。主将の本間律輝(3年)の適時打で先制したが、追加点が遠かった。都勢は昨年の関東一(東東京)に続き2年連続の準優勝。熱戦を終えた両校の選手は健闘をたたえ合い、スタンドからは声援と大きな拍手が送られた。
日大三が2001年夏に初優勝した時のエース右腕で、プロ野球でも活躍した近藤一樹さん(42)は「(決勝進出で)最後の最後まで野球をすることができた。3年生にとっては一番幸せな高校生活だったと思う」と後輩たちをねぎらった。
兵庫県在住ながら今大会は仕事などで甲子園に一度も行けず、決勝はテレビ観戦もできなかったという。それでも「準決勝までの何試合かはテレビ観戦できたし、練習にも何度か行った」といい、今のチームを「中心選手はいないが、全員が同じ方向を向いてコツコツ戦う」と指摘した。
自身と名前が一字違いで話題になったエース右腕の近藤優樹投手(3年)を「低めやコースを丁寧に突く大人の投球をする」と評価。前日の練習で本人に「準決勝でフォームにばらつきがあったので、右腕のテークバックの位置を意識するように助言した」そうだ。
近藤さんは高校3年時の夏の甲子園で全6試合に登板し、準決勝と決勝を完投。卒業後にプロ野球の近鉄、オリックス、ヤクルトに計19年間在籍し、2018年に最優秀中継ぎ投手に輝いた。準優勝を果たした後輩たちに「最後まで戦った自信を持って、次のステージ、次の学年に進んでほしい」とエールを送った。【来住哲司】
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